第25回 言語聴覚士国家試験 第127問
心理測定法第25回
誤っているのはどれか。
- 1.恒常法では全体としての試行数が多くなる
- 2.調整法では施行ごとの刺激操作が一定に保たれることが期待できる ✓
- 3.極限法では被検査者に次の刺激の刺激量を予測されやすい
- 4.上下法では刺激を系列呈示し、反応が変化したところで系列を反転させる
- 5.マグニチュード推定法では被検査者は心的体験を量的に表現する
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 調整法では施行ごとの刺激操作が一定に保たれることが期待できる
調整法は被検査者自身が刺激を操作して調整するため、施行ごとの刺激操作が異なります。逆に極限法こそが「実験者が一定のルール(段階的変化)に従って刺激を操作する」方法であり、施行ごとの刺激操作が一定に保たれます。選択肢の内容は調整法の特性を誤って記述しています。
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【各選択肢の解説】
1. 恒常法では全体としての試行数が多くなる
✅ 正しい。恒常法は複数の刺激量を全て繰り返し呈示して、各刺激に対する反応頻度を集計するため、他の方法(極限法・調整法)と比べて試行数が著しく増加します。そのかわり、刺激呈示の順序効果を最小化でき、データの信頼性が高まります。
2. 調整法では施行ごとの刺激操作が一定に保たれることが期待できる
❌ 誤り。調整法は被検査者が刺激を自由に増減させながら「丁度よい(判別できない)状態」に到達させるため、施行ごとに異なる経路をたどります。施行ごとの刺激操作が一定に保たれるのは、むしろ極限法です。
3. 極限法では被検査者に次の刺激の刺激量を予測されやすい
✅ 正しい。極限法は刺激を「段階的に」増加(または減少)させるため、被検査者が次の刺激量を予測しやすく、心理的準備が生じるという欠点があります。この予測効果を軽減するため、上昇系列と下降系列を交互に実施します。
4. 上下法では刺激を系列呈示し、反応が変化したところで系列を反転させる
✅ 正しい。上下法(staircase method)は、被検査者の反応が変化した地点(例:「聞こえる」から「聞こえない」)で刺激の増減方向を反転させ、収束点を効率的に探索します。恒常法や極限法より試行数が少なくて済みます。
5. マグニチュード推定法では被検査者は心的体験を量的に表現する
✅ 正しい。マグニチュード推定法はStevensによる主観的スケーリング法で、被検査者が感覚の大きさ・強さを数値や線分長で量的に判断・表現します。順序尺度に留まらず、比例尺度データが得られます。
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【試験対策ポイント】
心理測定法の4つの古典的方法の比較表:
| 方法 | 実験者の役割 | 被検査者の役割 | 試行数 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 恒常法 | 複数刺激を固定呈示 | 判断のみ | 非常に多い | 信頼性高い、順序効果少ない | 時間がかかる |
| 極限法 | 段階的に増減呈示 | 判断のみ | 少ない | 効率的 | 予測効果、適応効果 |
| 調整法 | 指示のみ | **自分で刺激操作** | 中程度 | 簡便、迅速 | 個人差大、学習効果 |
| 上下法 | 反転ルール設定 | 判断のみ | 少ない | 効率的、収束性良好 | 初期値依存 |
重要な否定知識:
- 調整法は「被検査者が主体的に操作」→ 施行ごとの操作パターンは一定でない
- 極限法は「実験者が段階的に操作」→ 施行ご