第25回 言語聴覚士国家試験 第141問
聴覚心理学第25回
聴覚フィルタについて誤っているのはどれか
- 1.内耳の障害によって臨界帯域幅が減少する ✓
- 2.中心周波数が1000Hzでの臨界帯域幅は約160Hzである
- 3.中心周波数が1000Hz以上での臨界帯域幅は約1/4~1/3オクターブである
- 4.マスカーである帯域雑音の帯域幅が臨界帯域幅を超えるとマスキング効果の上昇が緩やかになる
- 5.中心周波数が100~150Hzno範囲での臨界帯域幅は約100Hzで一定である
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 内耳の障害によって臨界帯域幅が減少する
臨界帯域幅は内耳の有毛細胞の周波数特性(基底膜の機械的性質)に基づく生理的特性です。内耳障害では周波数分解能が低下し、臨界帯域幅は「増加」します。したがって「減少する」という記述は誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 内耳の障害によって臨界帯域幅が減少する
❌ 誤り。内耳障害時は周波数分解能が悪化し、臨界帯域幅は増加(拡大)します。感音難聴患者では帯域幅が広がり、マスキング効果が拡大することが知られています。
2. 中心周波数が1000Hzでの臨界帯域幅は約160Hzである
✅ 正しい。1000Hzでの臨界帯域幅はおおむね150〜160Hzです。これは標準値として頻出です。
3. 中心周波数が1000Hz以上での臨界帯域幅は約1/4~1/3オクターブである
✅ 正しい。中心周波数が高くなると、臨界帯域幅は相対的に周波数の約1/4〜1/3オクターブになります。これは臨界帯域幅が周波数に比例的に増加することを意味します。
4. マスカーである帯域雑音の帯域幅が臨界帯域幅を超えるとマスキング効果の上昇が緩やかになる
✅ 正しい。マスキング帯域幅が臨界帯域幅内なら効率的にマスキング、それを超えると同じパワーでも効果的なマスキング量が減少し、上昇が緩やかになります。
5. 中心周波数が100~150Hzの範囲での臨界帯域幅は約100Hzで一定である
✅ 正しい。低周波数帯域では臨界帯域幅がほぼ一定値(約100Hz)を示します。高周波数でのような比例関係は低周波では成立しません。
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【試験対策ポイント】
臨界帯域幅の3大ルール:
| 周波数帯域 | 帯域幅の値 | 特徴 |
|---|---|---|
| 100〜150Hz | 約100Hz(一定) | 低周波では変化小 |
| 1000Hz | 約150〜160Hz | 中心周波数 |
| 1000Hz以上 | 周波数の1/4〜1/3オクターブ | 周波数に比例 |
内耳障害の影響:
- 正常耳:精密な周波数分解
- 感音難聴:周波数分解能低下 → 臨界帯域幅「拡大」 → マスキング範囲が広がる
マスキング効果と帯域幅の関係:
- マスカー帯域幅 ≦ 臨界帯域幅:効率的マスキング
- マスカー帯域幅 > 臨界帯域幅:効果頭打ち(上昇緩やか)
キーワード:「内耳障害=帯域幅増加(減少ではない)」は頻出の否定知識