STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第168問

言語発達障害学第25回
ワーキングメモリー指標を評価項目に含む検査はどれか
  1. 1.DN-CAS
  2. 2.KABCーII
  3. 3.WISC-IV ✓
  4. 4.WPPSI-III
  5. 5.田中ビネー知能検査V

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — WISC-IV WISC-IVは4つの指標(言語理解・知覚推理・処理速度・ワーキングメモリー)を含む包括的な認知評価検査です。ワーキングメモリー指標は数字逆唱・語音整列などの下位検査で評価されます。 --- 【各選択肢の解説】 1. DN-CAS ❌ 誤り。DN-CASは計画・注意・同時処理・継次処理(PASS理論)の4つの認知プロセスを評価する検査であり、ワーキングメモリーを独立した指標としては含みません。注意や処理プロセスに焦点を当てています。 2. KABC-II ❌ 誤り。KABC-IIは同時処理・継次処理・学習能力・計画能力の4つのスケールで構成されており、ワーキングメモリーは独立した評価指標ではありません。継次処理と学習能力が数字操作などを含みますが、指標名がワーキングメモリーではない点が重要です。 3. WISC-IV ✅ 正しい。WISC-IVは4つの主要指標として言語理解指標・知覚推理指標・処理速度指標・ワーキングメモリー指標を公式に設定しています。ワーキングメモリー指標は数字逆唱と語音整列で構成されます。 4. WPPSI-III ❌ 誤り。WPPSI-III(幼児向け)は言語性IQ・動作性IQの従来的2因子構造を使用しており、ワーキングメモリーを独立指標として含みません。より新しいWPPSI-IVではワーキングメモリー指標が追加されていますが、本問はWPPSI-IIIです。 5. 田中ビネー知能検査V ❌ 誤り。田中ビネー知能検査Vは「流動性知能」「結晶性知能」「思考の柔軟性」など6つの領域を評価しますが、ワーキングメモリーを明示的な指標として設定していません。従来型の知能指数(IQ)を算出する検査です。 --- 【試験対策ポイント】 主要な児童用認知検査の指標構成比較 | 検査 | 開発背景 | 主要指標 | WM含否 | |---|---|---|---| | WISC-IV | CHC理論 | 言語理解・知覚推理・処理速度・WM | ✅ 含む | | WISC-V | CHC理論強化版 | 言語理解・視空間・流動推理・処理速度・WM | ✅ 含む | | KABC-II | PASS理論 | 同時処理・継次処理・学習能力・計画能力 | ❌ 含まない | | DN-CAS | PASS理論 | 計画・注意・同時処理・継次処理 | ❌ 含まない | | WPPSI-III | 従来型 | 言語性IQ・動作性IQ | ❌ 含まない | | WPPSI-IV | CHC理論 | 言語理解・視空間・流動推理・処理速度・WM | ✅ 含む | | 田中ビネーV | 従来型 | 流動性知能・結晶性知能・思考の柔軟性等 | ❌ 含まない | キーポイント: - WISC系(IVから)はCHC理論に基づき4因子制(最新のVは5因子) - KABC系とDN-CASはPASS理論に基づく - ワーキングメモリー指標は「新しい理論的枠組み」を反映(2000年代中盤以降) - WPPSI-IIIは「古い世代」のため2因子のみ→WPPSI-IVで対応
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