第25回 言語聴覚士国家試験 第200問
小児聴覚障害第25回
盲ろう者に対する支援で誤っているのはどれか
- 1.話しかけるときは、腕に軽く触れるなど、注意喚起する
- 2.移動介助するときは、腕を引っ張る ✓
- 3.盲ろう者向け通訳・介助員の養成カリキュラムには移動介助が含まれる
- 4.盲ベースろう者に対してはPCの点字ディスプレイが有用である
- 5.ろうベース盲者に対しては触手話が有用である
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 移動介助するときは、腕を引っ張る
盲ろう者の移動介助は「ガイド法」という確立された技法があり、腕を引っ張ることは危険で不適切です。正しくは盲ろう者に自分の腕を持たせ、肘や上腕をガイドとして提供し、盲ろう者が自分のペースで歩けるようにします。腕を引っ張ると転倒やけが、そして心理的不安につながります。
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【各選択肢の解説】
1. 話しかけるときは、腕に軽く触れるなど、注意喚起する
✅ 正しい。盲ろう者は視覚と聴覚の両方が制限されているため、話しかける前に腕への軽い接触や振動で注意を喚起することが基本的な支援マナーです。いきなり話しかけると驚かせてしまいます。
2. 移動介助するときは、腕を引っ張る
❌ 誤り。腕を引っ張る行為は盲ろう者の転倒リスクを高め、心理的負担を増やします。正しいガイド法では盲ろう者に介助者の腕を持たせ、肘や上腕をガイドとして使わせ、盲ろう者自身が安全なペースで移動できるようにします。
3. 盲ろう者向け通訳・介助員の養成カリキュラムには移動介助が含まれる
✅ 正しい。盲ろう者向け通訳・介助員には移動介助技術、触覚を用いた通訳方法(触手話・触指文字など)、対象者との信頼構築が必須のカリキュラムとして含まれています。
4. 盲ベースろう者に対してはPCの点字ディスプレイが有用である
✅ 正しい。盲ベースろう者(視覚障害が主で、聴覚障害が軽い)にとって、点字ディスプレイはPC操作や情報アクセスの重要なツールです。触覚を通じた情報提供が可能になります。
5. ろうベース盲者に対しては触手話が有用である
✅ 正しい。ろうベース盲者(聴覚障害が主で、視覚障害を後天的に獲得)にとって、触手話(手話を触覚で感じる方法)は既習の手話体系を活用した最も効率的な通信手段です。
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【試験対策ポイント】
盲ろう者の分類と最適支援手段:
| 障害基盤 | 定義 | 最適通信手段 | 最適補助機器 |
|---|---|---|---|
| 盲ベースろう者 | 視覚障害が主 | 触指文字・点字 | 点字ディスプレイ |
| ろうベース盲者 | 聴覚障害が主 | 触手話・手話 | 音声反応・振動通知 |
| ろう盲ろう者 | 両障害が対等 | 複合手段 | 状況に応じて判断 |
移動介助のポイント:
・腕を引っ張る → 危険・不適切
・正しい方法:ガイド法(盲ろう者が介助者の腕を持つ)
・盲ろう者に選択権・主体性を与える
盲ろう者向け通訳・介助員の役割:
・移動介助技術(ガイド法)
・触覚を用いた情報提供
・情動支援