第25回 言語聴覚士国家試験 第199問
補聴器・人工内耳第25回
成人人工内耳適応基準(2017)では、補聴器装用下の最高語音明瞭度が(A:左列)以下であり、かつ平均聴力レベルが(B:右列)以上である場合には手術適応となる。(A)(B)の組み合わせで正しいのはどれか。
(A) (B)
- 1.30% ― 55dB
- 2.40% ― 60dB
- 3.50% ― 70dB ✓
- 4.60% ― 80dB
- 5.70% ― 85dB
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — (A)50% (B)70dB
成人人工内耳適応基準(2017年)では、補聴器装用下の最高語音明瞭度が50%以下であり、かつ平均聴力レベル(4分法)が70dB以上という2つの条件を同時に満たす場合に手術適応となります。この基準は補聴器による効果の限界を客観的に判定し、人工内耳の適応を慎重に決定するための重要な指標です。
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【各選択肢の解説】
1. 30%―55dB
❌ 誤り。語音明瞭度の基準値が低すぎ、聴力レベルの基準値も不適切です。2017年基準では最高語音明瞭度50%、平均聴力70dB以上が正式な基準となります。
2. 40%―60dB
❌ 誤り。語音明瞭度40%は50%より低く見える(補聴器効果が悪い)ですが、2017年基準では「以下」の判定基準が50%です。平均聴力60dBも基準より低く不適切です。
3. 50%―70dB
✅ 正しい。補聴器装用下での最高語音明瞭度が50%以下であること、かつ4分法(500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hz)の平均聴力レベルが70dB以上であることが、2017年の成人人工内耳適応基準です。
4. 60%―80dB
❌ 誤り。語音明瞭度60%では補聴器である程度の効果が期待でき、人工内耳の適応基準を超えています。また平均聴力80dBは基準より高く、より重症度が高い条件になってしまいます。
5. 70%―85dB
❌ 誤り。語音明瞭度70%は明らかに高く、補聴器装用で相応の効果が得られている状態です。この場合は人工内耳の適応外となります。
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【試験対策ポイント】
成人人工内耳適応基準(2017年)の2つの判定条件:
| 判定項目 | 適応基準 | 意義 |
|---|---|---|
| 補聴器装用下の最高語音明瞭度 | 50%以下 | 補聴器で十分な効果が得られない状態 |
| 平均聴力レベル(4分法) | 70dB以上 | 中等度~高度難聴の目安 |
キーワード:
- 50%と70dBの2つの数値を同時に満たす必要がある
- 「以下」「以上」の判定方向を間違えない
- 平均聴力は4分法(500/1000/2000/4000Hz)を使用
- 補聴器装用下での評価が前提(裸耳値ではない)
- 2008年基準では50%/70dBでしたが、2017年改定でも同じ値が維持されています
紛らわしいポイント:
- 選択肢2の「40%」は「50%より悪い」と見える可能性がありますが、基準は「50%以下」であり、40%は基準を満たしますが、平均聴力60dBが不適切です
- 選択肢4・5は聴力基準が厳しすぎ、実臨床とズレが生じます