STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第33問

生涯発達心理学第25回
正しいのはどれか
  1. 1.感覚運動期には言語を用いて思考する
  2. 2.形式的操作期以後の認知発達はない
  3. 3.前操作期には脱中心化した思考をする
  4. 4.具体的操作期には可逆的思考をする ✓
  5. 5.新たな認知情報を既知のシェマに合わせて変化させることを均衡化という

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 具体的操作期には可逆的思考をする 具体的操作期(7~11歳)の発達段階では、子どもが因果関係を理解し、「もし逆方向に操作したら元に戻る」という可逆的思考を獲得することが最大の特徴です。この時期により、保存概念(液体の量は容器の形によって変わらないなど)の獲得が可能になります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 感覚運動期には言語を用いて思考する ❌ 誤り。感覚運動期(0~2歳)は、言語が未発達で、行動を通じた具体的な操作による思考段階です。言語を用いた思考は前操作期以降で発達します。 2. 形式的操作期以後の認知発達はない ❌ 誤り。Piaget自身は形式的操作期(12歳以後)で認知発達が完成すると述べましたが、現代の発達心理学では青年期・成人期での認知的洗練(メタ認知の深化など)が認識されています。 3. 前操作期には脱中心化した思考をする ❌ 誤り。前操作期(2~7歳)の特徴は「自己中心性」と「中心化」です。複数の視点を考慮できず、一つの側面(例:背の高さ)だけに注意が向きます。脱中心化は具体的操作期の特徴です。 4. 具体的操作期には可逆的思考をする ✅ 正しい。可逆的思考はこの時期の核心的獲得です。「注ぎ出した液体を元の容器に戻す」など、操作を心理的に逆転させることで保存概念が成立します。 5. 新たな認知情報を既知のシェマに合わせて変化させることを均衡化という ❌ 誤り。説明が逆です。「新たな認知情報を既知のシェマに合わせる」のは「同化」(assimilation)です。「均衡化」(equilibration)は同化と調節のバランスを取るプロセスそのもので、「既知のシェマを新たな情報に合わせて変化させる」のが「調節」(accommodation)です。 --- 【試験対策ポイント】 Piagetの認知発達段階(4段階) | 段階 | 年齢 | 主要特徴 | キーワード | |---|---|---|---| | 感覚運動期 | 0~2歳 | 行動による思考 | 対象永続性(生後8~9ヶ月) | | 前操作期 | 2~7歳 | 自己中心性・中心化・物活論 | 保存概念の欠如 | | 具体的操作期 | 7~11歳 | 脱中心化・可逆性・分類 | 保存概念の獲得 | | 形式的操作期 | 12歳以後 | 抽象的思考・仮説演繹 | 論理的推論 | 同化と調節・均衡化の区別 - 同化:新情報を既知シェマに無理やり合わせる(例:犬をみてすべて「わんわん」と呼ぶ) - 調節:シェマ自体を修正して新情報に対応(例:猫を見て「ニャー」という新カテゴリを獲得) - 均衡化:同化と調節のバランス→認知構造の発展 前操作期の誤った思考(出題頻度が高い) - 中心化:複数要素のうち1つだけに注目 - 可逆性の欠如:因果関係を一方向にしか理解できない - 自己中心性:他者の視点が理解できない(山の三方位問題) - 物活論:無生物を生物のように扱う 具体的操作期の
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