STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第25回 言語聴覚士国家試験 第43問

言語学第25回
共通語(東京方言)でアクセントの低い拍を〇、高い拍を●で示す。下線部は連用形と、行為名詞(連用形から名詞に変わったもの)プラス助詞である。行為名詞はどれか。 a.新宿に飲みに(●〇〇)行く b.ゼミの飲みに(〇●〇)行く c.弟に泳ぎを(〇●●〇)教える d.海にもぐりに(〇●〇〇)行く e.海に泳ぎに(〇●〇〇)行く 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — b,c この問題は、連用形と行為名詞を「アクセント形」で見分ける問題です。連用形と行為名詞は形態的には同じですが、アクセント(音韻体系)が異なります。行為名詞(名詞化されたもの)は、句内での独立性が高いため、アクセント形が変わります。 --- 【各選択肢の解説】 a. 新宿に飲みに(●〇〇)行く ❌ 誤り。アクセント形●〇〇は「連用形」を示しています。「飲み」が「~に」と結合して機能する場合、連用形として機能しており、行為名詞ではありません。 b. ゼミの飲みに(〇●〇)行く ✅ 正しい。アクセント形〇●〇は「行為名詞」を示しています。「ゼミの飲みに」という表現は、「飲むという行為・イベント」を名詞化して「ゼミの飲みという行為」と解釈でき、「に」は助詞として機能します。格助詞「の」との組み合わせが、名詞化を強く示唆します。 c. 弟に泳ぎを(〇●●〇)教える ✅ 正しい。アクセント形〇●●〇は「行為名詞」を示しています。「泳ぎを教える」は「泳ぐという行為を教える」という意味で、「泳ぎ」が目的語(を格)として機能する名詞です。連用形では生じない形態です。 d. 海にもぐりに(〇●〇〇)行く ❌ 誤り。アクセント形〇●〇〇は「連用形」を示しています。「もぐりに行く」の「もぐり」は、「行く」という動詞に結合して「~するために行く」という目的の意味を表す連用形です。 e. 海に泳ぎに(〇●〇〇)行く ❌ 誤り。アクセント形〇●〇〇は「連用形」を示しています。「泳ぎに行く」の「泳ぎ」は、「行く」と結合して「泳ぐために行く」という連用形的機能を果たしており、行為名詞ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 行為名詞と連用形の見分け方: | 判断基準 | 行為名詞 | 連用形 | |---|---|---| | アクセント形 | 通常、アクセントが「低い拍」から始まる場合が多い | アクセント形が異なる(●〇〇など) | | 先行詞の格助詞 | 格助詞「の」「を」が直前に来ることが多い | 「に」が来て「~するために」と解釈 | | 後続表現 | 「に」が助詞として機能(~に行く、~に参加) | 「に」が前置詞的役割 | | 例文構造 | 「名詞+の+行為名詞」「行為名詞を+動詞」 | 「行為名詞に+移動動詞」 | 重要な否定知識:「泳ぎに行く」「もぐりに行く」は連用形です。名詞化ではなく、「~するために移動する」という目的表現です。一方「ゼミの飲みに」「泳ぎを教える」は、名詞化された形です。
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