第25回 言語聴覚士国家試験 第42問
音響学第25回
健常耳における純音のラウドネスについて正しいのはどれか
a.単位はphonである
b.音圧が倍に増加すると2倍になる
c.音圧が一定であっても周波数に応じて変化する
d.音圧が一定であっても音の持続時間に応じて変化する
e.音圧が一定であれば4000Hzに対するラウドネスは1000Hzより大きくなる
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — c,d,e
ラウドネスは聴者が「大きさ」として知覚する心理量です。音圧が客観的物理量である一方、ラウドネスは周波数・持続時間・聴者の聴力など複数の要因に依存します。各選択肢の真偽を正確に判定することが重要です。
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【各選択肢の解説】
a. 単位はphonである
❌ 誤り。phon(フォン)は「ラウドレベル」の単位であり、ラウドネスの単位ではありません。ラウドネスの単位は「sone(ソーン)」です。1000Hzで40phon=1soneの対応関係があります。
b. 音圧が倍に増加すると2倍になる
❌ 誤り。ラウドネスは音圧の対数関数です。音圧が倍になると、ラウドネスは約1.35倍(10×log₂≈3.01dB増加に相当)になります。2倍の増加ではありません。
c. 音圧が一定であっても周波数に応じて変化する
✅ 正しい。等ラウドネス曲線(フレッチャー・マンソン曲線)が示すように、同じ音圧でも周波数が異なるとラウドネスは変化します。特に低周波(100Hz以下)では感度が低下します。
d. 音圧が一定であっても音の持続時間に応じて変化する
✅ 正しい。約200ms未満の短い音は、同じ音圧の長い音より小さく知覚されます(時間統合特性)。継続時間が増えるほどラウドネスは大きくなります。
e. 音圧が一定であれば4000Hzに対するラウドネスは1000Hzより大きくなる
✅ 正しい。等ラウドネス曲線で4000Hzは1000Hzよりも曲線が上にあり、同じ音圧レベルではより大きく聴こえます。これは人間の聴覚が3000~5000Hzで最も敏感な帯域(聴覚帯域)を反映しています。
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【試験対策ポイント】
ラウドネス vs. ラウドレベル
| 項目 | ラウドネス | ラウドレベル |
|---|---|---|
| 定義 | 「大きさ」の心理量 | 1000Hzの基準音との比較値 |
| 単位 | sone | phon |
| 物理量か心理量か | 心理量 | 実質的には物理量 |
ラウドネスに影響する因子
- 周波数依存:等ラウドネス曲線で確認(3~5kHz最敏感)
- 時間依存:約200ms以上で飽和
- 音圧依存:対数関数(倍増でない)
- 個人差:難聴の有無・種類で変化
紛らわしい概念
「phon」「sone」「dB」の区別が頻出。phon=1000Hzの基準音との「レベル比較」であり、個人の知覚(ラウドネス)とは厳密に異なる点を押さえる。