第26回 言語聴覚士国家試験 第1問
医学総論第26回
三次予防の対象と対策との組合せで正しいのはどれか。
- 1.健常高齢者 —————— 歯科健康診査
- 2.要支援高齢者 ————— 口腔機能向上セルフケアの指導
- 3.急性期脳卒中患者 ——— 嚥下障害のスクリーニングテスト
- 4.回復期脳卒中患者 ——— 嚥下リハビリテーション ✓
- 5.生活期脳卒中患者 ——— 嚥下内視鏡検査
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 回復期脳卒中患者 —— 嚥下リハビリテーション
三次予防は「既に発症した疾患の進行を止め、機能回復・社会復帰を目指す段階」です。回復期脳卒中患者は発症後の回復過程にあり、嚥下リハビリテーション(機能向上を目指す積極的な訓練)が適切な対策となります。他の選択肢は一次予防(発症予防)または二次予防(早期発見・早期治療)に相当します。
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【各選択肢の解説】
1. 健常高齢者 — 歯科健康診査
❌ 誤り。健常高齢者への健康診査は一次予防(疾病予防)に該当します。三次予防ではなく、健康増進段階での対策です。
2. 要支援高齢者 — 口腔機能向上セルフケアの指導
❌ 誤り。要支援高齢者の段階は、要介護への進行を防ぐ二次予防(介護予防)です。三次予防は「既に疾患が顕在化した患者」が対象であり、単なる予防段階ではありません。
3. 急性期脳卒中患者 — 嚥下障害のスクリーニングテスト
❌ 誤り。急性期は「早期発見・合併症予防」という二次予防の段階です。スクリーニング自体が「リスク発見」という二次予防的性質を持ちます。三次予防は急性期を過ぎた患者が対象です。
4. 回復期脳卒中患者 — 嚥下リハビリテーション
✅ 正しい。回復期は「機能回復・社会復帰を目指す段階」で、嚥下リハビリテーションは機能向上を目指す積極的な訓練であり、典型的な三次予防です。
5. 生活期脳卒中患者 — 嚥下内視鏡検査
❌ 誤り。生活期患者に嚥下内視鏡検査を「定期的に」行うことは、むしろ過剰検査です。三次予防の段階では、既に確立した治療方針に基づくリハビリテーションが中心であり、検査自体が目的ではありません。
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【試験対策ポイント】
予防段階の定義と対象患者の整理:
| 予防段階 | 対象患者 | 目的 | ST関連対策例 |
|---|---|---|---|
| 一次予防 | 健常者 | 疾病発症の予防 | 健康診査、嚥下予防教室 |
| 二次予防 | 無症状リスク者 or 早期患者 | 早期発見・早期治療 | スクリーニング、診断検査 |
| 三次予防 | 発症・診断済み患者 | 進行停止・機能回復・QOL向上 | リハビリテーション、訓練 |
脳卒中の時期ごとの特徴:
- 急性期(発症0~2週):医学的管理優先、二次予防的スクリーニング
- 回復期(2週~3ヶ月):積極的リハビリで最大回復を目指す(三次予防)
- 生活期(3ヶ月~):維持・再発予防・社会復帰支援が中心
頻出の紛らわしいポイント:
- 検査と訓練の区別:検査は「診断・評価」→二次予防的 / 訓練は「機能向上」→三次予防的
- 「セルフケア指導」は教育・指導であり、リハビリテーション(訓練)ではない