第26回 言語聴覚士国家試験 第111問
耳鼻咽喉科学第26回
喉頭癌について正しいのはどれか。
- 1.早期癌に対しては放射線治療か喉頭温存手術が行われる。 ✓
- 2.領域リンパ節転移があれば根治的手術の適応はない。
- 3.喉頭全摘術後の気管食道瘻に用いるボイスプロテーゼは発声音源となる。
- 4.喉頭全摘術後の音声リハビリテーションでは食道発声を第一選択とする。
- 5.喉頭全摘術後は身体障害者福祉法による身体障害認定基準の 2 級に該当する。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 早期癌に対しては放射線治療か喉頭温存手術が行われる。
喉頭癌の早期例(Stage I~II)では、機能温存と根治性のバランスを取るため、放射線治療または喉頭温存手術(経口的喉頭微細手術、レーザー手術など)が選択されます。これらは予後が比較的良好で、音声機能の保存も可能なため、まず試みられるべき治療法です。
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【各選択肢の解説】
1. 早期癌に対しては放射線治療か喉頭温存手術が行われる。
✅ 正しい。喉頭癌早期例の標準的治療方針です。放射線治療(通常6~7週間)か経口的喉頭微細手術またはレーザー手術による喉頭温存が基本です。どちらでも同等の生存率が報告されており、患者選択が可能です。
2. 領域リンパ節転移があれば根治的手術の適応はない。
❌ 誤り。頸部リンパ節転移(N1~N3)が存在しても、原発巣が喉頭に限局していれば喉頭全摘術+頸部郭清が根治的手術として行われます。転移の存在だけで非手術的治療のみに限定されるわけではありません。
3. 喉頭全摘術後の気管食道瘻に用いるボイスプロテーゼは発声音源となる。
❌ 誤り。ボイスプロテーゼは「気管食道瘻」ではなく「気管食道シャント」に用いられます。ボイスプロテーゼは発声音源ではなく、呼気を食道に導く「弁」の役割を果たすだけで、実際の音源は肛門括約筋などの振動です。命名の誤りかつ機能の誤解です。
4. 喉頭全摘術後の音声リハビリテーションでは食道発声を第一選択とする。
❌ 誤り。現在の第一選択は「気管食道シャント法(ボイスプロテーゼ)」です。食道発声は習得困難(成功率50~70%)で時間がかかるため、気管食道シャント法の方が音質・学習曲線ともに優れています。ただし適応がない場合の代替手段として食道発声は重要です。
5. 喉頭全摘術後は身体障害者福祉法による身体障害認定基準の2級に該当する。
❌ 誤り。喉頭全摘術後の音声機能喪失は「3級」に該当します。身体障害認定基準では喉頭の全摘出による発声機能の完全喪失は3級と定められており、2級はより重度の障害(複数臓器障害など)に適用されます。
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【試験対策ポイント】
喉頭癌の治療戦略と音声再建
| 項目 | 早期癌(Stage I~II) | 進行癌(Stage III~IV) |
|---|---|---|
| 治療法 | 放射線療法 または 喉頭温存手術 | 喉頭全摘術+頸部郭清+化学放射線療法 |
| 音声予後 | 正常に近い | 代替音声の習得が必須 |
喉頭全摘術後の音声再建法(優先順位)
1. 気管食道シャント法(ボイスプロテーゼ)→ 第一選択
- 発声音源:ボイスプロテーゼではなく肛門括約筋の振動
- 習得容易、音質良好
2. 食道発声 → 代替手段
- 習得困難(成功率50~70%)
- 時間がかかるが補聴器等が不要
3. 電