STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第112問

耳鼻咽喉科学第27回
両側声帯正中固定による気道狭窄に対して行われるのはどれか a.甲状軟骨形成術I型 b.甲状軟骨形成術II型 c.声帯内脂肪注入術 d.声帯外転術 e.気管切開術 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d.声帯外転術、e.気管切開術 両側声帯正中固定で気道が高度に狭窄した場合、緊急措置として**気管切開術**で気道を確保し、根本治療として**声帯外転術**(声帯を外側に固定して気道を広げる手術)を行います。甲状軟骨形成術・脂肪注入術はいずれも音声改善目的であり、気道狭窄への適応はありません。 --- 【各選択肢の解説】 1. a.甲状軟骨形成術I型 ❌ 誤り。声帯を内側に移動させる音声改善術。気道狭窄にはむしろ有害。 2. b.甲状軟骨形成術II型 ❌ 誤り。声帯の張力を増加させる音声改善術。気道狭窄への適応なし。 3. c.声帯内脂肪注入術 ❌ 誤り。声帯に体積を加える音声改善術。正中固定の解除には無効。 4. d.声帯外転術 ✅ 正しい。声帯を外側に固定し気道を広げる根本的治療。片側施行でも十分な気道確保が可能で長期管理の標準手術。 5. e.気管切開術 ✅ 正しい。生命の危機に直結するため緊急対応として不可欠。根本治療(声帯外転術)を実施するまでの橋渡しとなる。 --- 【試験対策ポイント】 | 治療法 | 目的 | 両側正中固定への適応 | |---|---|---| | 気管切開術 | 気道確保(緊急) | ✅ | | 声帯外転術 | 気道拡大(根本治療) | ✅ | | 甲状軟骨形成術I型 | 声帯内側化→音声改善 | ❌ | | 甲状軟骨形成術II型 | 声帯張力増加→音声改善 | ❌ | | 声帯内脂肪注入術 | 声帯体積増加→音声改善 | ❌ | - **「気道狭窄」と「音声不良」は治療対象が別**:甲状軟骨形成術・脂肪注入は音声専用 - 緊急性(気管切開)と根本治療(声帯外転)をセットで覚える - 一側反回神経麻痺(弛緩位固定)には逆にI型甲状軟骨形成術が使われる点と混同しないこと
関連

▶ 第27回 全問一覧

▶ 耳鼻咽喉科学 の過去問一覧