第27回 言語聴覚士国家試験 第13問
耳鼻咽喉科学第27回
滲出性中耳炎について誤っているのはどれか。
- 1.ティンパノグラムはB型となる
- 2.鼻・副鼻腔炎の合併がみられる
- 3.鼓膜切開の適応である
- 4.伝音難聴を呈する
- 5.発熱を伴う ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 発熱を伴う
滲出性中耳炎は中耳腔に液体が貯留する炎症性疾患ですが、典型的には**発熱を伴わない**のが特徴です。むしろ無熱で経過することが多く、発熱がみられる場合は急性中耳炎など他の感染性中耳疾患を疑う必要があります。他の4つの選択肢は滲出性中耳炎の典型的な所見・治療法であるため、「誤っているのはどれか」という問題では発熱が正答となります。
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【各選択肢の解説】
1. ティンパノグラムはB型となる
✅ 正しい。中耳腔に液体が貯留すると、鼓膜・耳小骨連鎖の可動性が低下するため、コンプライアンスが著しく減少し、ティンパノグラムB型(フラットな波形)を呈します。これは滲出性中耳炎の診断的特徴です。
2. 鼻・副鼻腔炎の合併がみられる
✅ 正しい。滲出性中耳炎は耳管機能障害が主因であり、鼻・副鼻腔炎は耳管の閉塞を招く重要な合併疾患です。特に小児では慢性的な鼻炎や副鼻腔炎が滲出性中耳炎の持続・遷延化を招きます。
3. 鼓膜切開の適応である
✅ 正しい。保存的治療(抗菌薬、ステロイド薬投与)で改善しない場合、鼓膜切開により中耳貯液の排出を促進させることは標準的な治療法です。必要に応じて鼓膜換気チューブ(シリコンチューブ)を留置します。
4. 伝音難聴を呈する
✅ 正しい。中耳液により鼓膜と耳小骨連鎖の可動性が低下するため、気導・骨導聴力検査では気導の低下が見られ、気骨導差が生じる典型的な**伝音難聴**を呈します。
5. 発熱を伴う
❌ 誤り。滲出性中耳炎は**無熱**で経過することが典型的です。発熱がみられる場合は、急性中耳炎、化膿性中耳炎など、より急性で感染性の強い中耳疾患の存在を示唆します。滲出性中耳炎は慢性的で、自覚症状に乏しいことも特徴です。
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【試験対策ポイント】
中耳炎の類別と発熱の有無
| 疾患 | 発熱 | ティンパノグラム | 耳漏 | 難聴型 |
|---|---|---|---|---|
| 急性中耳炎 | あり | A型→C型→B型 | なし(穿孔時のみ) | 伝音難聴 |
| 滲出性中耳炎 | **なし** | B型 | なし | 伝音難聴 |
| 化膿性中耳炎 | あり | B型 | あり(常時) | 伝音難聴 |
| 慢性中耳炎 | なし | B型 | あり(再燃時) | 伝音難聴 |
滲出性中耳炎の診断的特徴
・ティンパノグラムB型(コンプライアンス低下)
・耳鏡検査:水平レベル像や気液面が見える場合あり
・オージオメトリ:伝音難聴(気骨導差あり)
・発熱なし・耳漏なし(「無症状」が多い)
治療の優先順位
1. 保存的治療(抗菌薬・ステロイド・耳管通気)
2.