STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第13問

耳鼻咽喉科学第26回
左側頭骨横骨折による錐体内顔面神経完全離断の症状はどれか。
  1. 1.左前頭筋の脱力 ✓
  2. 2.下顎反射の消失
  3. 3.左顔面の知覚消失
  4. 4.右下部顔面表情筋の脱力
  5. 5.右アブミ骨筋反射の消失

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 左前頭筋の脱力 左側頭骨横骨折により錐体内顔面神経(第VII脳神経)が完全離断すると、左側の顔面神経支配領域の全筋が脱力します。前頭筋は顔面神経の上頭髄枝に支配される筋であり、左側の損傷で左前頭筋の脱力が生じます。これが正答です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 左前頭筋の脱力 ✅ 正しい。前頭筋は顔面神経(第VII脳神経)上頭髄枝の支配を受けます。左側頭骨横骨折で左顔面神経が完全離断すれば、左前頭筋を含む左顔面表情筋全体の脱力が起こります。 2. 下顎反射の消失 ❌ 誤り。下顎反射の弧は三叉神経(第V脳神経)が関与しており、顔面神経障害では影響を受けません。顔面神経は下顎反射に関わらない神経です。 3. 左顔面の知覚消失 ❌ 誤り。顔面の知覚は三叉神経(第V脳神経)が担当します。顔面神経は運動神経および味覚・分泌神経であり、一般的な顔面知覚には関わりません。 4. 右下部顔面表情筋の脱力 ❌ 誤り。左側頭骨横骨折により左顔面神経が損傷されるため、症状は左側に現れます。右側の筋脱力は起こりません。 5. 右アブミ骨筋反射の消失 ❌ 誤り。アブミ骨筋反射は顔面神経の鼓索枝を介した反射ですが、左側頭骨横骨折による左顔面神経損傷で失われるのは左アブミ骨筋反射です。右側反射は消失しません。 --- 【試験対策ポイント】 顔面神経(第VII脳神経)の支配領域と機能 | 機能 | 支配筋・器官 | 神経枝 | |---|---|---| | 表情筋運動 | 前頭筋、眼輪筋、口輪筋ほか | 上頭髄枝・下頭髄枝 | | 味覚 | 舌前2/3 | 鼓索神経 | | 涙分泌 | 涙腺 | 大浅岩神経 | | 唾液分泌 | 顎下腺・舌下腺 | 鼓索神経 | | アブミ骨筋反射 | アブミ骨筋 | 鼓索神経経由 | 頭部外傷による頭蓋骨骨折パターン | 骨折型 | 特徴 | 神経損傷の傾向 | |---|---|---| | 横骨折 | 錐体の長軸に垂直 | 顔面神経損傷が多い | | 縦骨折 | 錐体の長軸に平行 | 内耳損傷が多い(聴神経) | 頭骨横骨折での合併症 - 顔面神経の完全または不完全損傷 - 難聴(伝音難聴が多い=耳小骨損傷) - 脳脊髄液耳漏 - 髄液が中耳に流出すると感染リスク上昇 「損傷側=症状側」を確認せよ:左側頭骨損傷→左顔面神経障害→左側の症状のみ
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