STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第135問

音声学第26回
1 拍目の子音より 2 拍目の子音の構音位置が前になるのはどれか。 a.カキ b.パリ c.ナニ d.タコ e.キタ 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e(カキ・キタ) 1拍目の子音より2拍目の子音の構音位置が「前」になる組み合わせを選ぶ問題です。構音位置は前から後ろへ「両唇音 < 歯茎音 < 硬口蓋音 < 軟口蓋音」の順に並びます。日本語の軟口蓋音[k][g]は、後続母音がイ段になると硬口蓋寄りに前進(口蓋化)することがポイントです。 --- 【各選択肢の解説】 a. カキ ✅ 2拍目の構音位置が前。「カ」の子音[k]は軟口蓋音。「キ」の子音[kʲ]は硬口蓋化した軟口蓋音で、通常の[k]より構音位置が前(硬口蓋寄り)になります。よって2拍目の方が構音位置は前です。 b. パリ ❌ 2拍目の構音位置が後ろ。「パ」の子音[p]は両唇音(最も前)。「リ」の子音[r]は歯茎音(両唇音より後ろ)。2拍目の方が後ろになります。 c. ナニ ❌ 2拍目の構音位置が後ろ。「ナ」の子音[n]は歯茎鼻音。「ニ」の子音[nʲ]は硬口蓋化した鼻音で、歯茎音より後ろ(硬口蓋寄り)になります。2拍目の方が後ろです。 d. タコ ❌ 2拍目の構音位置が後ろ。「タ」の子音[t]は歯茎音。「コ」の子音[k]は軟口蓋音(歯茎音より後ろ)。2拍目の方が後ろになります。 e. キタ ✅ 2拍目の構音位置が前。「キ」の子音[kʲ]は硬口蓋化した軟口蓋音。「タ」の子音[t]は歯茎音(硬口蓋音より前)。よって2拍目の方が構音位置は前です。 --- 【試験対策ポイント】 日本語の構音位置(前→後の順): | 構音位置 | 代表的な子音 | 例 | |---|---|---| | 両唇音 | [p][b][m] | パ・バ・マ行 | | 歯茎音 | [t][d][n][s][z][r] | タ・ダ・ナ・サ・ザ・ラ行 | | 硬口蓋音 | [tɕ][dʑ][ɕ][ʑ][nʲ][kʲ] | チ・ジ・シ・ニ・キ(イ段) | | 軟口蓋音 | [k][g] | カ・ガ行(ア・ウ・エ・オ段) | 重要ポイント:「カ行・ガ行」はイ段(キ・ギ)になると硬口蓋化し、構音位置が軟口蓋から硬口蓋寄りに前進します。「ナ行」のニも同様に硬口蓋化しますが、ナ(歯茎)→ニ(硬口蓋)の変化は「後ろへ移動」です。**「前に移動」するのは後続母音がイ段になることで軟口蓋音が硬口蓋化するケース(カキ・キタ)**に限られます。
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