第26回 言語聴覚士国家試験 第134問
生涯発達心理学第26回
青年期について正しいのはどれか。
a.第 3 個体化過程が起こる。
b.親世代は心理的に安定した発達段階にある。
c.職業的アイデンティティを深める。
d.親からの同調圧力より仲間からの同調圧力が強くなる。
e.孤独感を感じやすい。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — d,e
青年期は心理的・社会的アイデンティティの形成が課題であり、親からの心理的独立が進む一方で仲間関係の影響が強まります。同時に、親との関係の再構築途上で孤独感が生じやすい時期です。d・eが正しく、a・b・cは青年期の発達特性として不正確です。
---
【各選択肢の解説】
a. 第3個体化過程が起こる。
❌ 誤り。第3個体化過程は老年期(特に親の死別後)に起こります。青年期では第2個体化過程(思春期から青年期にかけて親からの心理的独立を進める過程)が該当します。Blosによる個体化のフェーズを混同しやすい誤りです。
b. 親世代は心理的に安定した発達段階にある。
❌ 誤り。青年の親は中年期にあり、キャリアの頂点・親の介護・自分自身の衰退への不安など、むしろ心理的葛藤が大きい時期です。青年の同一性確立と親の中年性危機が同時進行し、世代間葛藤を引き起こしやすい。
c. 職業的アイデンティティを深める。
❌ 誤り。青年期では職業的アイデンティティは「模索・試行」の段階です。職業的アイデンティティを「確立・深化」させるのは成人期(特に20代後半以降)です。青年期はキャリア探索の時期であり、確定的ではありません。
d. 親からの同調圧力より仲間からの同調圧力が強くなる。
✅ 正しい。青年期は第2個体化の過程で親からの心理的独立を進め、同時にピアグループ(同年代の友人集団)への帰属意識が強まります。親との同調圧力より仲間集団からの同調圧力が優位になり、ファッション・言葉遣い・行動が友人に規定されやすくなります。
e. 孤独感を感じやすい。
✅ 正しい。青年期は親からの心理的独立途上で親との関係が揺らぎ、仲間関係への依存が高まるものの、深い自己内省によって自分の独自性や存在の不確実性に直面します。Ericksonの発達理論でも同一性対同一性混乱の葛藤が起こり、孤独感・疎外感が生じやすい時期です。
---
【試験対策ポイント】
個体化過程の段階
| 段階 | 時期 | 主な心理的課題 | 親との関係 |
|---|---|---|---|
| 第1個体化 | 乳幼児期 | 物理的独立の開始(愛着から分離) | 依存から徐々に探索へ |
| 第2個体化 | 青年期 | 心理的・思想的独立(親からの価値観脱却) | 葛藤と再構築 |
| 第3個体化 | 老年期(親の死別後) | 両親への心理的決別と自己統合 | 親を心理的に内在化 |
青年期の発達特性(重要否定知識)
- 「職業的アイデンティティ確立」×→ 成人期の課題
- 「親との関係は安定」×→ 葛藤期(第2個体化)
- 「仲間影響 < 親影響」×→ 逆に仲間影響が優位
- 「心理的に安定」×→ 同一性混乱に直面しやすい
親世代(青年の親)の発達段階
| 青年年齢 | 親年齢 | 親の発達課題 | 世代間葛藤 |
|---|---|---|---|
| 15-25歳 | 45-55歳 | 中年期