第26回 言語聴覚士国家試験 第137問
音声学第26回
母音の無声化が起こりやすいのはどれか。
- 1.「蕗(ふき)」の第 1 モーラ ✓
- 2.「武器(ぶき)」の第 1 モーラ
- 3.「復帰(ふっき)」の第 1 モーラ
- 4.「奮起(ふんき)」の第 1 モーラ
- 5.「風紀(ふうき)」の第 1 モーラ
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 「蕗(ふき)」の第1モーラ
母音の無声化は、清音の直後で周囲が無声音で囲まれた場合に起こりやすい。「蕗」の[ふ]の直後の[き]は清音で無声環境であり、最も無声化が起こりやすい条件を満たしている。
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【各選択肢の解説】
1. 「蕗(ふき)」の第1モーラ
✅ 正しい。[ふ]=清音(フ)の直後に清音[き]があり、両側が無声音で囲まれた無声環境。母音[う]の無声化が最も顕著に起こる。
2. 「武器(ぶき)」の第1モーラ
❌ 誤り。[ぶ]は濁音であり、前後が無声音で囲まれていない。濁音の直後では母音の無声化は起こりにくい。
3. 「復帰(ふっき)」の第1モーラ
❌ 誤り。[ふ]は清音だが、直後に促音[っ]が続く。促音は「音節のない子音」で、その後の[き]まで距離があるため、[う]の無声化は1番ほど顕著ではない。
4. 「奮起(ふんき)」の第1モーラ
❌ 誤り。[ふ]は清音だが、直後に鼻音[ん]が続く。鼻音は有声音であり、無声環境ではない。したがって無声化は起こりにくい。
5. 「風紀(ふうき)」の第1モーラ
❌ 誤り。[ふう]は長母音で、第1モーラの[う]は長音化に伴う音の伸長が優先され、無声化よりも長音として認識される。無声化の対象外。
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【試験対策ポイント】
母音無声化の条件(3つ全て満たす必要)
条件 | 説明
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1. 清音の直後 | 濁音や鼻音の直後では起こらない
2. 次音が無声音 | 有声音や鼻音が続く場合は起こらない
3. 高い周波数の子音[き・く・ち・つ・し・す・ひ・ふ等] | 低周波数の子音では起こりにくい
典型的な無声化パターン
- [ふ]+清音:「ふき」「ふた」「ふ者」→最も起こりやすい
- [き]の直後:「きき」「きた」→清音[き]は高周波なため無声化しやすい
紛らわしい点
- 促音の[っ]が入ると距離が増し、無声化は弱まる
- 鼻音[ん]や濁音は「有声」扱い→無声化は起こらない
- 長母音[ふう・ここ]は長音特性が優先される