第26回 言語聴覚士国家試験 第138問
音響学第26回
声の高さが関係しないのはどれか。
- 1.声帯の振動数
- 2.フォルマント周波数 ✓
- 3.基本周波数
- 4.日本語アクセント
- 5.イントネーション
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — フォルマント周波数
声の高さ(ピッチ)は基本周波数(F0)の知覚であり、声帯の振動数に直結します。一方、フォルマント周波数は声道の共鳴特性で決まり、声の高さとは独立しているため、低い基本周波数を持つ話者でも高い話者でも同じ母音では同じフォルマント値を示します。
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【各選択肢の解説】
1. 声帯の振動数
✅ 正しい。声帯の振動数=基本周波数であり、声の高さの物理的基盤です。振動数が高いほど声は高く知覚されます。
2. フォルマント周波数
❌ 誤り。フォルマント周波数は声道の形状(長さ・共鳴腔)で決まる特性で、基本周波数には依存しません。「あ」と言う時、低い声の男性でも高い声の女性でも、第1フォルマント(F1)は約700Hzで同じです。
3. 基本周波数
✅ 正しい。基本周波数(F0)が声の高さそのものの物理量です。通常、男性80~180Hz、女性150~250Hz、小児200~300Hzの範囲にあります。
4. 日本語アクセント
✅ 正しい。日本語は高さアクセント言語であり、「橋」(高低)と「箸」(低高)のように基本周波数の時間変化(ピッチ動態)でアクセントを実現します。
5. イントネーション
✅ 正しい。イントネーション(文全体の音韻的抑揚)は基本周波数の動的変化によって表現されます。「?」と「。」では異なるF0パターンを示します。
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【試験対策ポイント】
音声の物理量と知覚特性
| 要素 | 物理量 | 知覚特性 | 依存する要因 |
|---|---|---|---|
| 声の高さ | 基本周波数(F0) | ピッチ | 声帯振動数 |
| 声の大きさ | 音圧レベル(dB) | ラウドネス | 呼気強度 |
| 音色 | フォルマント周波数 | ティンバー(母音の質) | 声道形状 |
フォルマント周波数の重要性質
- 声道の共鳴特性に由来(基本周波数には無依存)
- 母音の弁別に必須(言語音の識別に寄与)
- 第1・第2フォルマント(F1・F2)が最重要
- スペクトログラム上では「暗い横線」として可視化
声の高さに関係する現象
- アクセント・イントネーション:基本周波数の時間変化
- ビブラート:周期的なF0変動(音楽的表現)
- 基本周波数の性別差:男性<女性<小児