STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第141問

聴覚心理学第26回
両耳聴について謝っているのはどれか。
  1. 1.インテンシティ効果とは音の大きい方向に音源があると感じる現象である。
  2. 2.インテンシティ効果は高い周波数で効果が大きい。
  3. 3.ハース効果とは両耳に対して時間的に早く音が到達した方向に音源があると感じる現象である。
  4. 4.ハース効果は低い周波数で効果が大きい。
  5. 5.両耳加算効果とは両耳聴の方が片耳聴に比べ聴覚閾値が上昇する現象である。 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 両耳加算効果とは両耳聴の方が片耳聴に比べ聴覚閾値が上昇する現象である。 両耳加算効果(両耳サマーション)とは、両耳で聴くと片耳より聴覚閾値が「低下(改善)」する現象です。両耳で聴くことで感度が向上し、約3dB低いレベルで音を検出できます。選択肢5は「閾値が上昇する(聞こえにくくなる)」と逆方向に述べており、これが誤りです。 --- 【各選択肢の解説】 1. インテンシティ効果とは音の大きい方向に音源があると感じる現象である。 ✅ 正しい。インテンシティ効果(強度差効果)は、両耳に到達する音圧レベルに差がある場合、音圧が大きい側に音源があると知覚する現象です。頭部陰影効果により生じる両耳間音圧差が手がかりとなります。 2. インテンシティ効果は高い周波数で効果が大きい。 ✅ 正しい。高周波(概ね1500Hz以上)は波長が短く頭部を回り込みにくいため、頭部陰影効果によって両耳間に明確な音圧差が生じます。そのためインテンシティ効果は高周波で顕著です。 3. ハース効果とは両耳に対して時間的に早く音が到達した方向に音源があると感じる現象である。 ✅ 正しい。ハース効果(先行音効果・時間差効果)は、複数の音が時間差をもって届いた際、先に届いた音の方向を音源として知覚する現象です。両耳間到達時間差(ITD)が主な手がかりです。 4. ハース効果は低い周波数で効果が大きい。 ✅ 正しい。低周波(概ね1500Hz以下)は波長が長く頭部を回り込みやすいため、音圧差よりも到達時間差が定位の主要な手がかりとなります。そのためハース効果は低周波で顕著です。 5. 両耳加算効果とは両耳聴の方が片耳聴に比べ聴覚閾値が上昇する現象である。 ❌ 誤り。両耳加算効果は「閾値が低下(改善)する」現象であり、「上昇する」は正反対の記述です。両耳からの信号が中枢で統合されることで検出感度が向上し、約3dB の閾値改善が得られます。 --- 【試験対策ポイント】 両耳聴の主要3現象の比較: | 現象 | 有効周波数 | 手がかり | 効果の方向 | |---|---|---|---| | インテンシティ効果 | 高周波(1500Hz以上) | 両耳間音圧差(ILD) | 音圧が大きい側を音源と知覚 | | ハース効果 | 低周波(1500Hz以下) | 両耳間到達時間差(ITD) | 先に届いた側を音源と知覚 | | 両耳加算効果 | 全周波数 | 両耳信号の中枢統合 | 閾値が**低下**(約3dB改善) | **重要な区別ポイント:** - 「閾値が上昇」=聞こえにくくなる(両耳加算効果とは逆) - 「閾値が低下・改善」=聞こえやすくなる(両耳加算効果の実態) - インテンシティ効果とハース効果の有効周波数は逆に覚えないよう注意(高音→強度差、低音→時間差)
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