STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第140問

音響学第26回
サウンドスペクトログラムの広帯域分析結果の説明で正しいのはどれか。
  1. 1./ba/ と /ga/ の違いは子音部のボイスバーの有無である。
  2. 2./pa/ と /ka/ の子音部にはボイスバーが観測される。
  3. 3./ga/ と /ka/ の後続母音 /a/ の第 2 フォルマント周波数遷移は同じである。 ✓
  4. 4./da/ と /ga/ は後続母音 /a/ の第 1 フォルマント周波数遷移が異なる。
  5. 5./ba/ と /pa/ の違いは後続母音 /a/ の第 2 フォルマント周波数遷移である。

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — /ga/ と /ka/ の後続母音 /a/ の第2フォルマント周波数遷移は同じである。 広帯域スペクトログラムの特徴は「声帯振動の有無を視覚化できる」という点です。/ga/ と /ka/ はどちらも後続母音が同じ /a/ であり、母音の音響特性(フォルマント周波数および その遷移)は子音の帯気性(有声・無声)には影響されません。したがって第2フォルマント周波数遷移は一致します。 --- 【各選択肢の解説】 1. /ba/ と /ga/ の違いは子音部のボイスバーの有無である。 ❌ 誤り。/ba/ と /ga/ は両者とも「有声音」であり、スペクトログラムではボイスバー(低周波の周期的エネルギー)が両方観測されます。両者の違いは「調音位置の違い」(両唇音 vs 軟口蓋音)であり、後続母音のフォルマント遷移の開始周波数が異なります。ボイスバーの有無では区別できません。 2. /pa/ と /ka/ の子音部にはボイスバーが観測される。 ❌ 誤り。/pa/ と /ka/ はいずれも「無声音」です。無声音の子音部にはボイスバー(声帯振動に由来する低周波エネルギー)は観測されません。スペクトログラムではこの点がボイスバーを持つ有声音(/ba/, /da/, /ga/ など)との大きな違いになります。 3. /ga/ と /ka/ の後続母音 /a/ の第2フォルマント周波数遷移は同じである。 ✅ 正しい。/ga/ は有声軟口蓋音、/ka/ は無声軟口蓋音で、「子音の帯気性(有声/無声)」は異なりますが、「調音位置」は共に軟口蓋です。母音 /a/ のフォルマント周波数および遷移は、子音部の有声性には影響されず、主に後続する母音自体の音響特性により決定されます。したがって両者の第2フォルマント遷移は同じです。 4. /da/ と /ga/ は後続母音 /a/ の第1フォルマント周波数遷移が異なる。 ❌ 誤り。/da/ は歯茎音、/ga/ は軟口蓋音で「調音位置が異なる」ため、後続母音への遷移パターンは異なります。ただし第1フォルマント(F1)は「開口度」を反映するため、後続母音 /a/(開母音)への遷移は調音位置よりも「開口度」に左右されやすく、大きな違いは生じにくい傾向があります。むしろ第2フォルマント(F2)のほうが調音位置による違いが顕著です。選択肢の表現は曖昧で、「異なる」と断定するのは慎重性に欠けます。 5. /ba/ と /pa/ の違いは後続母音 /a/ の第2フォルマント周波数遷移である。 ❌ 誤り。/ba/ と /pa/ は「帯気性(有声/無声)」のみが異なり、「調音位置は同じ(両唇音)」です。後続母音 /a/ は共通であるため、第2フォルマント周波数遷移は同じです。両者の違いはスペクトログラムの「子音部におけるボイスバーの有無」および「VOT(Voice Onset Time:発声開始時間)」という時間的パラメータで区別されます。 --- 【試験対策ポイント】 | 音響特徴 | 影響要因 | |---|---| | ボイスバー(低周波帯) | 有声性(有声/無声)の判定 | | F1(第1フォルマント) | 開口度(
関連

▶ 第26回 全問一覧

▶ 音響学 の過去問一覧