第26回 言語聴覚士国家試験 第173問
言語発達障害学第26回
6 歳の就学前男児。質問-応答関係検査で日常的質問となぞなぞは 6 歳レベル、説明が 3 歳レベル。平仮名の清音は書字可能。
発達段階に即した指導として適切でないのはどれか。
a.ターンテイキング
b.語彙の拡大
c.3 語連鎖以上の表出
d.上位・下位概念の関係理解
e.カタカナのなぞり書き
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
この児童は6歳で平仮名清音の書字が可能であり、就学間際の発達段階にあります。質問-応答関係検査で日常的質問・なぞなぞは6歳レベルと良好ですが、説明が3歳レベルと遅れています。このため、指導は「説明能力の向上と語言表現の質的発展」に焦点を当てるべきであり、基礎段階の技能(ターンテイキング)や異なる文字体系の導入(カタカナ)は発達段階に不適切です。
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【各選択肢の解説】
a. ターンテイキング
❌ 誤り。6歳の児童は既に会話の基本的なターンテイキング能力を習得しています。質問-応答が6歳レベルで可能であることが証拠です。これは1~2歳の初期対話段階の指導であり、発達段階に不適切。
b. 語彙の拡大
✅ 正しい。説明能力が3歳レベルと遅れているのは、語彙の量と質の不足が一因と考えられます。6歳における語彙拡大は説明表現の向上に直結するため、発達段階に適切。
c. 3語連鎖以上の表出
✅ 正しい。平仮名清音の書字が可能で質問-応答が6歳レベルということから、口頭での複文表現能力も期待できます。説明能力向上には3語以上の複合文産出が必須であり、発達段階に適切。
d. 上位・下位概念の関係理解
✅ 正しい。カテゴリー理解と概念の階層関係の習得は、説明表現の質的発展(抽象的説明の獲得)に必要です。6歳児の認知発達段階に適切。
e. カタカナのなぞり書き
❌ 誤り。既に平仮名の清音が書字可能であり、就学を控えた6歳児にとってカタカナの学習は必要ですが、「なぞり書き」は幼児初期段階の指導です。6歳児には「独立した文字の書字学習」へ進むべきであり、なぞり書きは発達段階に不適切。
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【試験対策ポイント】
言語発達の「得意領域」と「遅れた領域」の乖離への対応法
| 発達領域 | この児童の状態 | 適切な指導 | 不適切な指導 |
|---|---|---|---|
| 理解語彙・聴理解 | 6歳レベル(良好) | スキップ → 次段階へ | ターンテイキング等の基礎 |
| 表出表現 | 3歳レベル(遅れ) | 複文・説明能力の構築 | — |
| 文字習得 | 平仮名清音OK | カタカナへの段階的移行 | なぞり書き(幼児段階) |
キーワード:
・質問-応答検査の異なる課題での差異 → 遅れた領域への集中指導
・「6歳就学前」の発達段階 → 基礎技能の除外、質的発展への焦点化
・なぞり書き → 1~2歳段階の運動機能形成方法(6歳には時間無駄)
・ターンテイキング → 初語~2語文段階で習得すべき基礎対話技能