STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第177問

機能性構音障害第26回
正常な発達で幼児期に最も遅く獲得される子音はどれか。
  1. 1.[p]
  2. 2.[t]
  3. 3.[k]
  4. 4.[s] ✓
  5. 5.[m]

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — [s] 幼児期の音声発達には獲得順序があり、摩擦音の中でも特に[s]は正確な舌位置と呼気流のコントロールが必要なため、最も遅く獲得される子音です。通常3~4歳以降に獲得され、完全な発達には5~6歳頃を要します。 --- 【各選択肢の解説】 1. [p] ✅ 正しい。両唇音で構音部位が明確かつ動作が大きいため、早期(1歳6ヶ月~2歳)に獲得されます。乳児期の喃語にも頻繁に出現する基本的な子音です。 2. [t] ✅ 正しい。歯茎音で、[p]と同様に構音位置が明確です。2歳前後には多くの幼児に獲得され、発達が比較的早い子音の代表例です。 3. [k] ✅ 正しい。軟口蓋音ですが、爆発的な単純な動作のため2歳~2歳6ヶ月には獲得される傾向にあります。構音難度は[s]より低いです。 4. [s] ✅ 正しい。摩擦音で複雑な舌位置(歯茎部)と持続的で細かい呼気流調整が必要です。3~4歳以降の獲得となり、完全習得は5~6歳を要することもあり、最も遅い獲得パターンを示します。 5. [m] ✅ 正しい。両唇鼻音で鼻腔への軟口蓋の位置設定が必要ですが、1歳前から喃語に含まれ、1歳6ヶ月までに安定して獲得される早期習得音です。 --- 【試験対策ポイント】 子音習得の発達順序(目安月齢) | 習得時期 | 子音 | 特徴 | |---|---|---| | 1~1.6歳 | [m][p][w] | 両唇音・鼻音(構音部位が明確) | | 1.6~2歳 | [b][d][t][k][n][g] | 爆発音・鼻音(簡潔な動作) | | 2~3歳 | [h][f][ŋ] | 摩擦音だが舌の制御が軽度 | | 3~4歳以降 | [s][z][ʃ][tʃ][r][l][θ] | 複雑な舌位置・呼気流調整必須 | 重要な否定知識: - 「正常発達の標準」と「個人差」を区別する。特に[s]は発達個人差が大きく、4~6歳まで幅広い習得時期を示す - 摩擦音全般が晩期習得だが、その中でも[s]は標準的には最も遅い - [p][m][t][k]は「早期習得群」として一括理解すること 機能性構音障害(FSD)のスクリーニング時は: - 3歳時:基本的な爆発音・鼻音は確認必須 - 4歳時:[s][z]は発達途上で未習得でも問題ない場合が多い - 5歳以降:[s]未習得が継続する場合は構音訓練対象となる可能性
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