第26回 言語聴覚士国家試験 第178問
機能性構音障害第26回
構音操作の特徴として正しい組合せはどれか。
a.口蓋化構音 ——— 舌背が挙上する。
b.側音化構音 ——— 呼気が側方偏位する。
c.声門破裂音 ——— 舌根部が咽頭に引かれる。
d.咽頭摩擦音 ——— 舌尖の動きが観察される。
e.鼻咽腔構音 ——— 外鼻孔の閉鎖で明瞭になる。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b
本問は機能性構音障害における構音操作の解剖学的・生理学的特徴を、正確に判別する力を問うています。各異常構音がどの部位でどのように生じるかを理解することが重要です。
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【各選択肢の解説】
a. 口蓋化構音 ——— 舌背が挙上する。
✅ 正しい。口蓋化構音では、本来の舌尖位置よりも舌背が挙上して硬口蓋に接近・接触し、舌背と硬口蓋の間で狭窄が形成されます。これが口蓋化の本体的な特徴です。
b. 側音化構音 ——— 呼気が側方偏位する。
✅ 正しい。側音化構音では、舌中央が硬口蓋に接触するために気流が舌の側方(左右いずれか)に迂回して口角より流出します。呼気の側方偏位が最大の特徴です。
c. 声門破裂音 ——— 舌根部が咽頭に引かれる。
❌ 誤り。声門破裂音は「声門(声帯)」で破裂が生じる現象です。咽頭構音とは異なります。舌根部が咽頭に引かれるのは咽頭構音(咽頭摩擦音など)の特徴であり、声門破裂音ではありません。
d. 咽頭摩擦音 ——— 舌尖の動きが観察される。
❌ 誤り。咽頭摩擦音は舌根部が咽頭後壁に接近して狭窄が形成される構音です。舌尖の動きは観察されず、むしろ「舌根部」の動きが特徴的です。舌尖を使う構音ではないという点で誤り。
e. 鼻咽腔構音 ——— 外鼻孔の閉鎖で明瞭になる。
❌ 誤り。鼻咽腔構音では軟口蓋が十分に挙上せず、呼気が鼻腔へ漏出して鼻音化が生じます。外鼻孔の閉鎖(人工的に鼻を塞ぐ)をすれば、むしろ音がさらに変わってしまい「明瞭になる」のではなく、音の質が変化します。構音そのものが明瞭になるわけではないため誤り。
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【試験対策ポイント】
| 異常構音 | 部位 | 主たる特徴 |
|---|---|---|
| 口蓋化 | 舌背と硬口蓋 | 舌背が挙上・接触 |
| 側音化 | 舌中央と口蓋 | 気流が側方に偏位 |
| 声門破裂音 | 声門(声帯) | 破裂が声門で生じる |
| 咽頭摩擦音 | 舌根と咽頭後壁 | 舌根の咽頭への引き込み |
| 鼻咽腔構音 | 軟口蓋と咽頭 | 軟口蓋挙上不全→鼻漏 |
関鍵ポイント:
- 「側方偏位」=側音化の唯一無二の特徴
- 声門破裂音は「咽頭」構音ではない
- 鼻咽腔構音の問題は「軟口蓋機能」にある(外鼻孔の問題ではない)
- 咽頭摩擦音は舌根中心(舌尖の動きはない)