第26回 言語聴覚士国家試験 第176問
音声障害第26回
電気式人工喉頭について正しいのはどれか。
- 1.抑揚をつけにくい。 ✓
- 2.ハンズフリーである。
- 3.食道粘膜が音源となる。
- 4.プロテーゼを埋め込んで使う。
- 5.声門閉鎖術後は対象とならない。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 抑揚をつけにくい。
電気式人工喉頭は、機械的に一定の振動数で振動を発生させるため、音声の高さ(基本周波数)が固定的になり、自然な抑揚(イントネーション)をつけることが困難です。これが電気式人工喉頭の最大の欠点であり、試験では頻出の重要知識です。
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【各選択肢の解説】
1. 抑揚をつけにくい。
✅ 正しい。電気式人工喉頭は機械的な一定の振動により音源を生成するため、基本周波数が単調になり、自然な抑揚(F0の変化)が難しい。これが音声品質を低下させる主要な理由です。
2. ハンズフリーである。
❌ 誤り。電気式人工喉頭は頸部に手で押し当てて使用する手持ち式です。そのため両手が塞がるという欠点があり、ハンズフリーではありません。
3. 食道粘膜が音源となる。
❌ 誤り。食道粘膜が音源になるのは食道音声(食道発声)です。電気式人工喉頭の音源は機械的な振動であり、口腔内で言語音に変換されます。混同しやすい誤りです。
4. プロテーゼを埋め込んで使う。
❌ 誤り。埋め込み式の人工喉頭も存在しますが、一般的な電気式人工喉頭は埋め込み式ではなく、外部装置として頸部に充てて使用します。埋め込み式は異なるカテゴリーです。
5. 声門閉鎖術後は対象とならない。
❌ 誤り。声門閉鎖術後(喉頭全摘出後)であっても電気式人工喉頭は使用可能です。むしろ喉頭全摘出患者は電気式人工喉頭、食道発声、気管食道シャント音声など複数の選択肢の対象となります。
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【試験対策ポイント】
人工喉頭の比較表:
| 特性 | 電気式人工喉頭 | 食道発声 | 気管食道シャント |
|---|---|---|---|
| 音源 | 機械的振動 | 食道粘膜 | 肺呼気 |
| 使用開始時期 | 即日可能 | 訓練が必要(3~6ヶ月) | 術後1~2週 |
| 抑揚 | つけにくい(手動調節可能な機種も) | つけやすい | つけやすい |
| 操作性 | 片手使用で手がふさがる | 両手フリー | 両手フリー |
| 音声品質 | 機械音が目立つ | 自然で最高品質 | 比較的自然 |
| 対象患者 | 喉頭全摘出者・声門閉鎖患者 | 同上 | 同上 |
頻出否定知識:
- 電気式人工喉頭は「声門閉鎖術後も対象」(5番の誤り)
- 食道発声とは異なる音源機序
- 「埋め込み式」電気式人工喉頭は広くない