第26回 言語聴覚士国家試験 第19問
呼吸系第26回
声帯の構造について誤っているのはどれか。
- 1.粘膜上皮は多列線毛上皮である。 ✓
- 2.粘膜固有層の浅層は間質液と弾性線維からなる。
- 3.粘膜固有層の深層は主として膠原線維からなる。
- 4.声帯の振動を担うカバーは粘膜上皮と粘膜固有層の浅層に相当する。
- 5.声帯の剛性を担うボディは声帯筋に相当する。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 粘膜上皮は多列線毛上皮である。
声帯の粘膜上皮は**重層扁平上皮**であり、多列線毛上皮ではありません。気管や気管支は多列線毛上皮ですが、声帯という振動構造体では扁平上皮が適切です。重層扁平上皮は機械的刺激に強く、振動に耐える構造になっています。
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【各選択肢の解説】
1. 粘膜上皮は多列線毛上皮である。
❌ 誤り。声帯の粘膜上皮は重層扁平上皮です。多列線毛上皮は気管・気管支などの下気道に見られます。声帯は振動器官であるため、機械的刺激に強い扁平上皮が分布しています。
2. 粘膜固有層の浅層は間質液と弾性線維からなる。
✅ 正しい。声帯粘膜固有層の浅層はReinke空間(ラインケ腔)と呼ばれ、疎性結合組織で構成され、豊富な間質液と弾性線維が含まれます。この層が声帯の振動性を支えます。
3. 粘膜固有層の深層は主として膠原線維からなる。
✅ 正しい。粘膜固有層の深層は密性結合組織で、膠原線維が豊富です。この層は声帯筋との間に位置し、柔軟性と剛性のバランスを取ります。
4. 声帯の振動を担うカバーは粘膜上皮と粘膜固有層の浅層に相当する。
✅ 正しい。声帯の「カバー・ボディ・コアモデル」において、カバーは粘膜上皮と固有層浅層から成り、この層が実際に振動します。最も振動性に富みます。
5. 声帯の剛性を担うボディは声帯筋に相当する。
✅ 正しい。カバー・ボディ・コアモデルでボディと呼ばれるのは、粘膜固有層の深層と声帯筋を合わせたもので、声帯に剛性(張力)をもたらします。
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【試験対策ポイント】
声帯の層構造(カバー・ボディ・コアモデル)
| 層 | 構成 | 組織学的特徴 | 機能 |
|---|---|---|---|
| カバー | 粘膜上皮+固有層浅層 | 重層扁平上皮+疎性結合組織 | 振動 |
| ボディ | 固有層深層+声帯筋 | 膠原線維+筋線維 | 剛性・張力 |
| コア | 粘膜下組織 | 疎性結合組織 | 安定性 |
重要な区別
- 気道全体の粘膜上皮:気管・気管支は多列線毛上皮、声帯は重層扁平上皮
- Reinke空間:粘膜固有層浅層=疎性結合組織=高振動性
- 膠原線維が多い層:固有層深層=声帯の剛性源
頻出陥阱
「多列線毛上皮」は下気道の典型的特徴だが、声帯は特殊な振動構造のため扁平上皮。呼吸系解剖を学ぶ際に混同しやすい点。