第27回 言語聴覚士国家試験 第103問
呼吸系第27回
正常嚥下時に食物が通過するのはどれか。
a.喉頭前庭
b.声門
c.上咽頭
d.梨状陥凹
e.喉頭蓋谷
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — d. 梨状陥凹、e. 喉頭蓋谷
正常嚥下では、食物は咽頭期に喉頭を安全に迂回する必要があります。梨状陥凹は食物の側路であり、喉頭蓋谷は喉頭蓋の両側の溝で、どちらも食物が通過する解剖学的経路です。これら2つが正常嚥下のルートです。
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【各選択肢の解説】
a. 喉頭前庭
❌ 誤り。喉頭前庭は声門と声帯前庭部の間の空間で、正常嚥下では食物が通過してはいけない領域です。ここへの侵入は誤嚥の開始段階を意味します。
b. 声門
❌ 誤り。声門は声帯が作る狭窄部で、正常嚥下では喉頭蓋が下降して声門を保護し、食物が通過しない構造になっています。声門への食物侵入は誤嚥です。
c. 上咽頭
❌ 誤り。上咽頭は咽頭腔の最上部で、正常嚥下時の食物の主要通路ではありません。むしろ逆流(鼻腔への逆流)が起きるべきでない部位です。
d. 梨状陥凹
✅ 正しい。梨状陥凹は咽頭側壁の喉頭の両側にある溝で、咽頭期に食物が通過する重要な側路です。食物はここを経由して食道入口部に到達します。
e. 喉頭蓋谷
✅ 正しい。喉頭蓋の両側にある谷状の構造で、咽頭期の食物流が通過する経路の一部です。喉頭蓋が下降して喉頭を覆う間に、食物はこの領域を通って食道へ向かいます。
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【試験対策ポイント】
嚥下時の食物流路(咽頭期)
| 解剖部位 | 食物通過 | 理由 |
|---|---|---|
| 梨状陥凹 | ✅ 通過 | 喉頭側方の側路。食物の主要経路 |
| 喉頭蓋谷 | ✅ 通過 | 喉頭蓋両側の谷。食物が流れる |
| 喉頭前庭 | ❌ 通過しない | 誤嚥の開始段階 |
| 声門 | ❌ 通過しない | 喉頭蓋で保護される |
| 上咽頭 | ❌ 通過しない | 食物流の主要経路ではない |
頻出の紛らわしいポイント:「喉頭」を含む選択肢(喉頭前庭・喉頭蓋谷)が並ぶことで受験生が混同しやすい。喉頭蓋谷は谷状構造で食物が通る。喉頭前庭は喉頭内部で食物は通らない。
咽頭期の食物流:舌根→喉頭蓋下降→梨状陥凹・喉頭蓋谷を通って→食道入口→食道