STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第196問

成人聴覚障害第26回
補聴器非装用の中等度加齢性難聴者に認知症の合併が疑われた。 選択する検査はどれか。
  1. 1.VPTA(標準高次視知覚検査)
  2. 2.SPTA(標準高次動作性検査)
  3. 3.MMSE-J(精神状態短時間検査)
  4. 4.RCPM(レーヴン色彩マトリックス検査) ✓
  5. 5.HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — RCPM(レーヴン色彩マトリックス検査) 補聴器非装用の中等度加齢性難聴者では、聴覚を介した認知機能検査では**聴覚障害の影響を受ける**ため、認知機能そのものを正確に評価できません。RCPMは非言語・非聴覚的な視覚的推理検査であり、聴覚障害の影響を受けずに認知機能(特に流動性知能)を評価できます。 --- 【各選択肢の解説】 1. VPTA(標準高次視知覚検査) ❌ 誤り。VPTAは高次視知覚機能(図形認識・色彩弁別など)を評価する検査であり、認知症スクリーニング検査ではありません。認知症の診断・疑いを検出する目的には適していません。 2. SPTA(標準高次動作性検査) ❌ 誤り。SPTAは動作性(実行機能・処理速度)を評価する検査ですが、これも認知症スクリーニングの標準検査ではなく、特に聴覚障害者向けに推奨されていません。 3. MMSE-J(精神状態短時間検査) ❌ 誤り。MMSE-Jは認知症スクリーニングの国際標準検査ですが、**言語的指示理解と口頭応答を多く含む**ため、聴覚障害者では検査者の話が聞き取りにくく、実際の認知機能より低く評価される可能性が高いです。聴覚障害者には不適切です。 4. RCPM(レーヴン色彩マトリックス検査) ✅ 正しい。RCPMは**非言語・非聴覚的な視覚的推理検査**で、図形パターン完成課題により流動性知能・推理能力を評価します。聴覚入力が不要なため、聴覚障害者の認知機能を聴覚障害の影響なく正確に評価でき、認知症スクリーニングに適しています。 5. HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール) ❌ 誤り。HDS-Rは認知症スクリーニングの標準検査ですが、**言語理解・口頭説明・記銘・計算など言語的要素が多く含まれる**ため、聴覚障害者では聴覚障害の影響を大きく受け、実際の認知機能を正確に評価できません。 --- 【試験対策ポイント】 認知機能検査の「聴覚障害者への適用性」の判断 | 検査名 | 特性 | 聴覚障害者への適用 | |---|---|---| | MMSE-J | 言語依存&口頭指示多 | ❌ 不適切(言語障害の影響大) | | HDS-R | 言語理解・計算・記銘依存 | ❌ 不適切(言語障害の影響大) | | RCPM | 非言語・視覚的推理のみ | ✅ 適切(聴覚障害の影響なし) | | VPTA | 視知覚評価だが認知症スクリーニングでない | ❌ 目的不適合 | | SPTA | 動作性評価だが認知症スクリーニングでない | ❌ 目的不適合 | 頻出パターン:聴覚障害患者の認知機能評価では「言語依存度が低い検査」を選ぶ - RCPMは世界標準の非言語認知検査 - 聴覚障害・言語障害・識字障害がある患者の認知機能評価の第一選択
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