第28回 言語聴覚士国家試験 第193問
成人聴覚障害第28回
騒音性難聴について誤っているのはどれか。
- 1.両側性が多い。
- 2.聴覚保護具の役割が大きい。
- 3.障害部位は蝸牛である。
- 4.初期は1,000Hzの聴力閾値の上昇が特徴的である。 ✓
- 5.障害の程度は曝露音圧と曝露時間に相関する。
正答:4番
解説
# 第28回 第193問 解説
■ 正答:4番 — 初期は1,000Hzの聴力閾値の上昇が特徴的である
騒音性難聴は職業性の慢性音響外傷であり、**初期には4,000Hz付近に谷状の聴力低下(C5 dip)が現れるのが特徴**です。1,000Hzは比較的保たれるため、「初期は1,000Hzの聴力閾値が上昇する」という記述は誤りです。
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## 【各選択肢の解説】
**1. 両側性が多い。**
✅ 正しい。騒音への曝露は両耳ともほぼ等しいため、両側対称性の感音難聴となります。職業性騒音難聴(建設作業者・鉱夫・工場労働者など)の典型的所見です。
**2. 聴覚保護具の役割が大きい。**
✅ 正しい。イヤープロテクタ・イヤプラグなどの適切な着用により、90dB以上の騒音環境でも聴力障害の進行を大幅に遅延させられます。公衆衛生的に極めて重要な予防対策です。
**3. 障害部位は蝸牛である。**
✅ 正しい。持続的な高音量騒音により、蝸牛の**外有毛細胞(特に高周波数領域を担当する基部のOHC)が選択的に障害**されます。基底板の機械的振動が過度になり、感覚受容器が損傷します。
**4. 初期は1,000Hzの聴力閾値の上昇が特徴的である。**
❌ **誤り。騒音性難聴の初期段階では4,000Hz付近(または3,000〜6,000Hz帯)に谷状の聴力低下(C5 dip)が現れるのが病理学的特徴です。**低音域(1,000Hz以下)はむしろ保たれる傾向にあり、進行につれて低音域にも波及していきます。
**5. 障害の程度は曝露音圧と曝露時間に相関する。**
✅ 正しい。騒音難聴は**線量反応関係**が明確な職業病です。dB値が高いほど、また曝露期間が長いほど聴力低下が著しくなります。NIOSH・ISOなどの予防基準は85dB以上での聴覚保護具装用を推奨しています。
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## 【試験対策ポイント】
**■ 騒音性難聴 vs 加齢性難聴の鑑別**
| 特性 | 騒音性難聴 | 加齢性難聴 |
|---|---|---|
| **発症年齢** | 騒音曝露職従事者(若年〜中年) | 高齢者(60歳以上で多い) |
| **聴力パターン** | **C5 dip**(4kHz谷型) | **高音漸傾型**(低音~中音保持、高音低下) |
| **初期高域障害** | 4kHz中心 | 8kHz以上 |
| **両側対称性** | 強い | 強い |
| **可逆性** | **早期なら部分回復あり**、慢性化すると不可逆 | 不可逆的(加齢に伴う退行性) |
**■ 騒音性難聴の診断・記録**
- **初期診断の要点**:職業歴から騒音曝露職種か確認。4kHz周辺の局所的聴力低下を確認
- **オージオグラム記録**:「C5 dip」「4kHz notch」の記載で評価の統一性が保たれます
- **自記オージオメトリ(自動聴力計)**:疲労現象(Metz効果)が認められることが多い
**■ 予防・リ