第27回 言語聴覚士国家試験 第93問
成人聴覚障害第27回
機能性難聴の検査に用いないのはどれか。
- 1.遅延側音検査
- 2.聴性脳幹反応
- 3.ロンバールテスト
- 4.歪成分耳音響放射
- 5.ティンパノメトリー ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — ティンパノメトリー
機能性難聴(非器質的難聴)の検出には、患者の意識的な応答に依存しない「客観的聴覚検査」が重要です。ティンパノメトリーは「中耳機能」を評価するもので、機能性難聴の検出には直接用いられません。一方、他の4項目はすべて機能性難聴の識別に有用な検査法です。
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【各選択肢の解説】
1. 遅延側音検査
✅ 正しい。患者が自分の音声を遅延して聞かせると、正常者は発話が乱れます。機能性難聴患者は障害があると訴えるにもかかわらず影響されないため、鑑別に有用です。
2. 聴性脳幹反応(ABR)
✅ 正しい。患者の意識や協力に無関係に脳幹レベルの聴覚伝導路の完全性を評価できる客観的検査です。機能性難聴では正常なABRが得られるため、識別に最も信頼性が高い検査です。
3. ロンバールテスト
✅ 正しい。患者に様々な強さの声で話しかけ、それに応じた音量で返答させる検査です。機能性難聴患者の矛盾した応答(例:小さい声に対して極端に大きく返答する)から障害を識別できます。
4. 歪成分耳音響放射(DPOAE)
✅ 正しい。外有毛細胞の機能を評価する客観的検査で、患者の応答を必要としません。機能性難聴では正常なDPOAEが得られるため、鑑別診断に有用です。
5. ティンパノメトリー
❌ 誤り。中耳インピーダンスを測定し、鼓膜・耳小骨の機械的特性を評価する検査です。機能性難聴患者でも中耳に異常があれば異常値を示し、難聴の原因特定には役立たず、機能性難聴の検出には用いられません。
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【試験対策ポイント】
機能性難聴検出に用いられる検査 vs 用いられない検査
| 検査名 | 依拠する原理 | 機能性難聴で用いるか |
|---|---|---|
| ABR(聴性脳幹反応) | 脳幹活動の客観的測定 | ✅ 最重要 |
| DPOAE(歪成分耳音響放射) | 外有毛細胞機能の客観的測定 | ✅ 重要 |
| 遅延側音検査 | 自分の音声フィードバック異常 | ✅ 重要 |
| ロンバールテスト | 応答の矛盾性の検出 | ✅ 重要 |
| ティンパノメトリー | 中耳機械特性の測定 | ❌ 用いない |
| 標準純音聴力検査 | 患者の主観的応答 | ❌ 不安定 |
キーワード:
- 機能性難聴=患者の協力・意識に依存しない「客観的検査」が不可欠
- ティンパノメトリー:中耳レベルの検査→難聴原因鑑別には用いられない
- ABR・DPOAE:聴覚末梢の完全性を証明できる最強の鑑別検査