STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第198問

小児聴覚障害第26回
通常の学級に在籍する 9 歳の難聴児。言語発達に大きな遅れはない。 リテラシー指導内容として優先度が低いのはどれか。
  1. 1.かな文字の表記 ✓
  2. 2.作文の指導
  3. 3.物語文の読解
  4. 4.関係節の理解・表出
  5. 5.皮肉文の理解

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — かな文字の表記 通常学級に在籍し言語発達に大きな遅れがない9歳難聴児は、基礎的な文字習得はすでに完了している段階です。リテラシー指導の優先度は、より高次の読み書き能力(作文・読解・複文理解・文学的表現理解)へシフトしており、かな文字の基本的な表記指導は優先度が低いです。 --- 【各選択肢の解説】 1. かな文字の表記 ❌ 誤り(優先度が低い)。9歳で通常学級に在籍し言語発達遅れがないという設定から、すでにひらがな・カタカナの基本的な習得は完了していると考えられます。このレベルの児童への指導優先度は低い段階です。 2. 作文の指導 ✅ 正しい(優先度が高い)。9歳段階の通常学級児童にとって作文能力は学習の基盤となります。難聴児は特に文法構造や複文理解に課題を持ちやすいため、作文指導を通じた実践的な書く力の育成は重要です。 3. 物語文の読解 ✅ 正しい(優先度が高い)。国語教育における読解力発達の中核領域です。9歳の難聴児にとって、物語文を通じて暗黙的な意味や因果関係、キャラクターの心情推測といった高次読解能力の育成は必須です。 4. 関係節の理解・表出 ✅ 正しい(優先度が高い)。難聴児は文法構造(特に複文)の理解に困難を示しやすく、関係節はその重要な領域です。「隣に座っている女の子」のような関係節構造の理解は、読解と表現双方で優先度が高い指導内容です。 5. 皮肉文の理解 ✅ 正しい(優先度が高い)。皮肉・慣用句・暗喩といった非字義的表現の理解は、9歳段階の難聴児にとって大きな課題です。一般的な文字理解から文学的・社会的な言語使用への発展段階として優先度が高い指導領域です。 --- 【試験対策ポイント】 リテラシー指導における発達段階別優先度 | 発達段階 | 指導内容 | 難度 | |---|---|---| | 初期段階(1~2年生相当) | 音韻認識、かな文字習得 | 低 | | 中期段階(3~4年生相当) | 基本的読み・書き、簡単な作文 | 中 | | 後期段階(5~6年生相当) | 複文理解、文法的複雑性、高次読解 | 高 | | 応用段階(9歳以上で通常学級) | 皮肉・文学的表現、関係節、物語の深い理解 | 高 | 難聴児における文法獲得の課題領域(優先度が高い順) - 複文(特に関係節、条件節) - 受動態・使役動詞 - 非字義的表現(皮肉、慣用句) - 物語の推論的読解 選択肢判定の着眼点 「9歳・通常学級・言語発達遅れなし」という条件が重要 → 基礎的な文字習得は完了済み → 学年相応の高次な言語スキルへの指導が優先 かな文字表記は「すでに習得済みの基礎スキル」であり、このレベルの児童には優先度が最も低い
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