第26回 言語聴覚士国家試験 第25問
認知心理学第26回
奥行き知覚の研究に用いられるのはどれか。
- 1.鏡映描写
- 2.視覚的断崖 ✓
- 3.ハノイの塔
- 4.スキナー箱
- 5.無意味つづり
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 視覚的断崖
視覚的断崖は乳幼児の奥行き知覚(深さの知覚)の発達を研究するための古典的実験装置です。ガラス板の下に市松模様を置き、奥側をより遠くに見せることで奥行き錯視を作出し、乳幼児がハイハイで危険と判断できるか(深さを知覚できるか)を調べます。
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【各選択肢の解説】
1. 鏡映描写
❌ 誤り。鏡に映った像を見ながら図形や線を描く課題であり、視覚と運動の協応、認知的制御能力を測定します。奥行き知覚の研究には使用されません。
2. 視覚的断崖
✅ 正しい。Eleanor GibsonとRichard Walkが1960年に開発した有名な実験装置。「断崖」に見える段差を本当に越えようとするかで、乳幼児の奥行き知覚(および恐怖反応)の発達段階を研究します。生後6ヶ月以降の乳幼児が深さを知覚できることが明らかにされました。
3. ハノイの塔
❌ 誤り。複数の円盤を3本の棒に移す論理的問題解決課題。問題解決能力・作業記憶・計画性を測定するもので、奥行き知覚とは無関係です。
4. スキナー箱
❌ 誤り。B.F.スキナーが開発した条件付けの実験装置。レバー押しやキー啄みなどの行動と報酬の関係を研究するもので、行動心理学の研究に用いられます。奥行き知覚の研究ではありません。
5. 無意味つづり
❌ 誤り。Hermann Ebbinghausが開発した記憶研究用の材料。意味がない音節の組み合わせ(例:ZOK、KEB)であり、忘却曲線など記憶のメカニズム研究に用いられます。奥行き知覚とは直接関係ありません。
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【試験対策ポイント】
認知心理学の古典的実験装置・課題の整理:
| 研究対象 | 装置・課題 | 研究者 | 主要知見 |
|---|---|---|---|
| **奥行き知覚** | **視覚的断崖** | **Gibson & Walk (1960)** | **生後6ヶ月から深さを知覚** |
| 行動学習 | スキナー箱 | Skinner | 強化スケジュール・オペラント条件付け |
| 記憶 | 無意味つづり | Ebbinghaus | 忘却曲線・分散学習の効果 |
| 問題解決 | ハノイの塔 | Simon & Hayes | 作業記憶・計画立案 |
| 協応運動・認知制御 | 鏡映描写 | - | ミラーリングの困難さ |
頻出ポイント:
- 視覚的断崖の発見により、乳幼児は想像以上に早期から環境の危険を知覚できることが証明された
- Gibson & Walkは心理学史上の重要な発達心理学研究として頻出
- スキナー箱とハノイの塔は「行動」「認知」という異なるアプローチを代表する装置として対比される