第26回 言語聴覚士国家試験 第26問
学習心理学第26回
正しいのはどれか。
a.食の動機づけの動因は飢えである。
b.親和動機づけは利他行動を解発する。
c.内発的動機づけは賞罰を必要とする。
d.覚醒水準が高いほど情動は安定する。
e.接近-接近型コンフリクト状況では相反感情が生じる。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b
食の動機づけの動因は飢え(生理的欲求)であり、親和動機づけは他者との関係を求める欲求から利他行動を生起させます。動機づけの理論では、内発的動機づけは内部報酬に基づくため賞罰を必要とせず、覚醒水準が高すぎると情動は不安定になり、接近型コンフリクトでは相反感情ではなく単一の正の感情が生じるため、a,bのみが正しいとなります。
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【各選択肢の解説】
a. 食の動機づけの動因は飢えである。
✅ 正しい。飢えは生理的欠乏状態を示し、食欲という一次的動機づけの動因(ドライブ)です。この動因が行動を起動・方向づけます。
b. 親和動機づけは利他行動を解発する。
✅ 正しい。親和動機づけは他者との関係・絆を求める欲求であり、他者への共感や協力などの利他的行動を引き起こします。
c. 内発的動機づけは賞罰を必要とする。
❌ 誤り。内発的動機づけは活動そのものの興味・達成感・自己実現など内部報酬に基づくものであり、外部からの賞罰(外発的報酬)を必要としません。むしろ過度な賞罰は内発的動機づけを低下させることが知られています。
d. 覚醒水準が高いほど情動は安定する。
❌ 誤り。Yerkes-Dodsonの法則により、最適な覚醒水準(中程度)のときにパフォーマンスと情動安定性が最も高くなります。覚醒水準が過度に高いと不安や焦燥感が増し、情動は不安定になります。
e. 接近-接近型コンフリクト状況では相反感情が生じる。
❌ 誤り。接近-接近型(二つの正の選択肢から一つを選ぶ状況)では、両者とも望ましいため相反感情は生じません。相反感情が生じるのは接近-回避型(同一対象に対する正と負の感情が混在)です。
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【試験対策ポイント】
コンフリクト分類表:
| タイプ | 状況例 | 感情 |
|---|---|---|
| 接近-接近型 | 2つの好ましい選択肢から選ぶ | 相反感情なし(葛藤は軽微) |
| 回避-回避型 | 2つの不快な選択肢から選ぶ | 強い相反感情 |
| 接近-回避型 | 同じ対象に正と負の価値がある | 相反感情あり(最も葛藤が強い) |
動機づけの基本軸:
| 分類 | 定義 | 特徴 |
|---|---|---|
| 内発的動機づけ | 内部報酬に基づく | 興味・達成感・自己実現。賞罰不要 |
| 外発的動機づけ | 外部報酬に基づく | 賞罰・社会的承認。継続性が低い |
| 一次的動機づけ | 生理的欲求 | 飢え・渇き・睡眠 |
| 二次的動機づけ | 心理社会的欲求 | 達成動機・親和動機・権力動機 |
覚醒水準(Arousal)と パフォーマンスの関係:
- 低すぎる:眠気・集中力低下
- 最適(中程度):最高のパフォーマンス・情動安定
- 高すぎる:不安・焦燥・情動不安定