STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第46問

言語学第26回
目的語を表す助詞「を」が「が」に変化したのはどれか。 a.リンゴが食べたい。 b.英語が話せる。 c.英語が通じにくい。 d.リンゴが熟れすぎる。 e.リンゴが食べにくい。 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a, b, e 「ガ変換」とは、動詞の述語形式(希望・可能・難易・好悪を表す形)が加わることで、本来「を」で示される目的語が「が」に交替する現象です。元の文における目的語の格助詞「を」が「が」に変わっている選択肢を選びます。 --- 【各選択肢の解説】 a. リンゴが食べたい。 ✅ 該当。元の文は「リンゴを食べる」。希望を表す「〜たい」が付くことで目的語「を」が「が」に交替しており、ガ変換が起きています。 b. 英語が話せる。 ✅ 該当。元の文は「英語を話す」。可能を表す「〜(せ)る」が付くことで目的語「を」が「が」に交替しており、ガ変換が起きています。 c. 英語が通じにくい。 ❌ 非該当。「通じる」は自動詞であり「英語を通じる」という目的語構造を持ちません。この「が」は主語を示す格助詞であり、「を」からの変換ではありません。 d. リンゴが熟れすぎる。 ❌ 非該当。「熟れる」は自動詞であり「リンゴを熟れる」という目的語構造を持ちません。この「が」は主語を示す格助詞であり、ガ変換は起きていません。 e. リンゴが食べにくい。 ✅ 該当。元の文は「リンゴを食べる」。難易を表す「〜にくい」が付くことで目的語「を」が「が」に交替しており、ガ変換が起きています。 --- 【試験対策ポイント】 ガ変換が起きる主な述語形式は以下の4タイプです。 | 述語形式 | 例 | 備考 | |---|---|---| | 希望(〜たい) | リンゴが食べたい | 話者の希望・欲求 | | 可能(〜(ら)れる・〜できる) | 英語が話せる | 能力・可能性 | | 難易(〜やすい・〜にくい) | リンゴが食べにくい | 容易さ・困難さ | | 好悪(〜好きだ・〜嫌いだ) | 犬が好きだ | 感情・評価 | 判断のポイントは「その文に対応する他動詞文(〜を〜する)が存在するか」です。自動詞(通じる・熟れる)には目的語「を」がもともと存在しないため、ガ変換は起きません。選択肢cとdは「〜にくい」「〜すぎる」という形式に目が向きがちですが、動詞の他動詞/自動詞の区別が判断の鍵になります。
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