第26回 言語聴覚士国家試験 第47問
言語発達学第26回
発達過程でみられる語の課題汎用例はどれか。
- 1.みかんを見て「りんご」と言う。 ✓
- 2.ヘリコプターを「ヘッポコタ」と言う。
- 3.チワワもシェパードも「ワンワン」と言う。
- 4.うさぎの置物を見て「うさちゃんいた」と言う。
- 5.「ありますか、ありませんか」を「ありますか、ないますか」と言う。
正答:1番
解説
# 第26回 第47問 解説
■ 正答:1番 — みかんを見て「りんご」と言う。
発達過程における「語の過少般用(underextension)」や「過剰般用(overextension)」は語彙獲得期に広くみられますが、本問の正答とされているのは1番「みかんを見て『りんご』と言う」です。これは、類似したカテゴリー内の別の対象に誤って語を当てはめている例であり、語の意味範囲がまだ正確に定まっていない段階で起こる典型的な誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. みかんを見て「りんご」と言う。
✅ 正しい。「果物」という類似カテゴリー内で、対象と語の対応が正確でない例です。語の意味範囲が確立していない発達過程に特徴的な誤りで、**語の誤使用(mislabeling)/過剰般用**の一例とされます。
2. ヘリコプターを「ヘッポコタ」と言う。
❌ 誤り。これは音の誤り(**音韻的誤り・構音の未熟**)であり、語の意味範囲の問題ではありません。
3. チワワもシェパードも「ワンワン」と言う。
❌ 誤り。これは「犬」という上位概念を一語で表す例で、語彙の過剰般用というより、**上位カテゴリー的な使用**と捉えられます。ただし広義には過剰般用に含める立場もあり、問題作成上は1番との対比で「典型的な語の誤用」として1番が選ばれています。
4. うさぎの置物を見て「うさちゃんいた」と言う。
❌ 誤り。うさぎという対象を正しく認識し語を当てはめており、さらに二語文として適切に表出されています。**正常な語の使用**です。
5. 「ありますか、ありませんか」を「ありますか、ないますか」と言う。
❌ 誤り。これは活用(形態素)の**文法的誤り(過剰規則化)**であり、語の意味の誤用ではありません。
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【試験対策ポイント】
語彙獲得期の誤りは以下の3つに整理すると理解しやすい:
- **過剰般用(overextension)**:「ワンワン」で犬以外の四足動物も指す等、語を広く使いすぎる
- **過少般用(underextension)**:自分の飼い犬だけを「ワンワン」と呼ぶ等、語を狭く使う
- **語の誤使用(mislabeling)**:みかんを「りんご」と呼ぶ等、カテゴリー内で別の語を当てる
これに対し、「ヘッポコタ」は**音韻発達の誤り**、「ないますか」は**文法(形態素)の過剰規則化**であり、語彙レベルの課題とは区別する必要があります。国試では「どのレベル(音韻/語彙/文法)の誤りか」を問う形で頻出です。