STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第26回 言語聴覚士国家試験 第78問

機能性構音障害第26回
小児に対して訓練する音の順序を決定する要因として誤っているのはどれか。
  1. 1.構音操作の難易度
  2. 2.構音発達の順序
  3. 3.保護者の希望 ✓
  4. 4.誤り方の一貫性
  5. 5.被刺激性の有無

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 保護者の希望 機能性構音障害の訓練音の選定・順序決定は、言語聴覚士の専門的判断に基づき、学習可能性や構音獲得の優先度に関する客観的指標を軸に決定されるべきです。保護者の希望は家庭での協力促進のために参考情報として活用されますが、訓練順序を決定する医学的・音韻学的根拠にはなりません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 構音操作の難易度 ✅ 正しい。より簡単に操作できる音から始めることで、初期成功体験を得られ、学習効率が向上します。同一音韻の場合、無声音→有声音、または単音→複雑な音環境という段階的進行が一般的です。 2. 構音発達の順序 ✅ 正しい。通常の発達順序に準拠して訓練音を選定することで、自然な獲得順序を尊重し、神経生物学的に習得しやすい段階を活用できます。例えば、鼻音や唇音は早期に獲得しやすいため優先度が高いです。 3. 保護者の希望 ❌ 誤り。保護者の希望は重要な心理社会的要素として「参考情報」に留まります。訓練順序の決定は、構音習得の可能性、音韻対比の効果、児童の学習準備性など客観的な臨床判断基準に基づくべきであり、希望が医学的根拠を上回ることはありません。 4. 誤り方の一貫性 ✅ 正しい。同じ音を常に同じ誤り方で発音する場合(一貫性あり)は習慣化した誤りで改善可能性が高く、訓練優先度が上がります。反対に、不安定で多様な誤り方をする音は神経的問題の可能性があり、訓練順序が後になることがあります。 5. 被刺激性の有無 ✅ 正しい。キューイング(外部刺激)で音が正しく引き出せる「被刺激性あり」の音は、学習可能性が高いため訓練優先度が上がります。刺激なしでは誤り続ける音は、より基礎的な音の習得後に訓練することが多いです。 --- 【試験対策ポイント】 訓練音選定の5つの判断基準 | 項目 | 判断内容 | 実臨床での活用 | |---|---|---| | 構音操作難易度 | 生理的に実行しやすいか | 簡単→複雑の順序 | | 発達順序 | 通常発達に照応しているか | 発達的順序を尊重 | | 誤り方の一貫性 | 習慣化した誤りか | 一貫→改善可能性↑ | | 被刺激性 | キューイング反応 | 被刺激性あり→優先 | | 保護者希望 | 心理社会的要素 | 参考情報(決定要因でない) | キーポイント: - 訓練順序は「言語聴覚士の専門的判断」で決定 - 保護者希望は「協力促進・動機づけ」のための参考情報に過ぎない - 「〜の希望」「〜の要望」で始まる選択肢は誤りになりやすい(他分野共通パターン)
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