第27回 言語聴覚士国家試験 第115問
形成外科学第27回
瘢痕とケロイドについて誤っているのはどれか。
- 1.耳介はケロイドの好発部位である。
- 2.ケロイドの発症頻度は人種差がある。
- 3.肥厚性瘢痕は隣接する正常組織内に広がる。 ✓
- 4.瘢痕はひきつれによって運動制限の原因となる。
- 5.瘢痕拘縮は局所皮弁や植皮などで治療される。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 肥厚性瘢痕は隣接する正常組織内に広がる。
肥厚性瘢痕は損傷部位の境界内に限局するのに対し、ケロイドが隣接する正常組織内に侵入して広がります。この点が肥厚性瘢痕とケロイドを区別する最も重要な特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 耳介はケロイドの好発部位である。
✅ 正しい。耳介(耳たぶ・耳輪)は胸部・肩部とともにケロイドの典型的な好発部位です。ピアス穴から発症することも多く、臨床的に重要な部位です。
2. ケロイドの発症頻度は人種差がある。
✅ 正しい。黒人やアジア人(特に日本人を含む)はケーカソイド(白人)に比べてケロイド発症率が高いとされています。これは遺伝的素因に関連した明確な人種差です。
3. 肥厚性瘢痕は隣接する正常組織内に広がる。
❌ 誤り。これはケロイドの特徴です。肥厚性瘢痕は原損傷部位の境界内に限局し、周囲の正常組織には侵入しません。この違いが両者の根本的な区別点です。
4. 瘢痕はひきつれによって運動制限の原因となる。
✅ 正しい。瘢痕拘縮(ひきつれ)により、特に関節部や顔面では可動域制限や機能障害が生じます。これは瘢痕の重要な臨床的合併症です。
5. 瘢痕拘縮は局所皮弁や植皮などで治療される。
✅ 正しい。瘢痕拘縮による機能制限や美容障害に対しては、瘢痕切除後に局所皮弁や植皮で組織欠損を補填する治療が標準的です。
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【試験対策ポイント】
肥厚性瘢痕とケロイドの区別表:
| 特徴 | 肥厚性瘢痕 | ケロイド |
|---|---|---|
| 範囲 | 損傷部位内に限局 | 正常組織に広がる |
| 発症時期 | 数週~数ヶ月 | 数ヶ月~数年後 |
| 自然軽快 | あり(1年以内が多い) | ほぼなし |
| 人種差 | 少ない | 大きい(黒人・アジア人高頻度) |
| 好発部位 | 胸部・肩・背中・耳介 | 胸部・肩・耳介 |
| 再発率 | 低い | 高い(手術後50%以上) |
重要:「隣接する正常組織内に広がる」という表現は必ずケロイドの説明として出現します。肥厚性瘢痕では「限局」がキーワード。