第27回 言語聴覚士国家試験 第114問
臨床神経学第27回
正しいのはどれか。
a.トリーチャー・コリンズ症候群は中耳形態異常を合併する。
b.クルーゾン症候群は眼球突出をきたす。
c.アベール症候群はロ蓋裂を合併しない。
d.ピエール・ロバン症候群は下顎が突出しているために呼吸障害をきたす。
e.頭蓋縫合早期癒合症は顔面に発育不全をきたさない。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b
頭蓋顔面形態異常の鑑別において、a(トリーチャー・コリンズ症候群の中耳形態異常合併)とb(クルーゾン症候群の眼球突出)が正しい。これら2つは症候群の典型的な臨床特徴であり、国試頻出項目です。
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【各選択肢の解説】
a. トリーチャー・コリンズ症候群は中耳形態異常を合併する。
✅ 正しい。第1・第2鰓弓由来の異常であり、耳介低形成・外耳道狭窄に加えて、耳小骨(特にアブミ骨)の形態異常や欠損、中耳腔容積減少などの中耳形態異常を高率に合併する。難聴(伝音性〜混合性)を伴うことが多い。
b. クルーゾン症候群は眼球突出をきたす。
✅ 正しい。常染色体優性遺伝の頭蓋縫合早期癒合症で、頭蓋腔の発育が制限されるため頭蓋腔内圧が上昇し、眼球突出(exophthalmos)をきたす。顔面中部の発育不全(中顔面陥凹)も特徴。
c. アベール症候群はロ蓋裂を合併しない。
❌ 誤り。アベール症候群は顔面裂と頭蓋縫合早期癒合を特徴とする症候群で、実は口蓋裂を「合併する」ことが多い。「合併しない」という記載は誤り。
d. ピエール・ロバン症候群は下顎が突出しているために呼吸障害をきたす。
❌ 誤り。ピエール・ロバン症候群の本態は「下顎後退」(micrognathia)である。下顎が後退しているため、舌が咽頭腔へ落ち込んで気道閉塞を起こし呼吸障害をきたす。「突出している」は完全な逆記載であり誤り。
e. 頭蓋縫合早期癒合症は顔面に発育不全をきたさない。
❌ 誤り。頭蓋縫合早期癒合症は頭蓋腔の発育が制限されるため、二次的に顔面(特に中顔面)の発育不全をきたす。このため眼球突出や中顔面陥凹などの顔面形態異常を生じる。「発育不全をきたさない」は誤り。
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【試験対策ポイント】
| 症候群 | 特徴 | 覚える合併症 |
|---|---|---|
| トリーチャー・コリンズ | 第1・2鰓弓異常 | 耳介低形成・外耳道狭窄・**中耳形態異常** |
| クルーゾン | 頭蓋縫合早期癒合 | **眼球突出**・中顔面陥凹・歯牙異常 |
| アペール | 頭蓋縫合早期癒合+手足異常 | **指趾癒合**・口蓋裂合併あり |
| ピエール・ロバン | 下顎形態異常 | **下顎後退**(後退≠突出)→舌落ち込み→気道狭窄 |
**ピエール・ロバン症候群の「d」が誤りやすい理由:** 下顎が「後退」していることが本体。気道閉塞は下顎の「突出」ではなく「後退」による舌の相対的な前方移動の制限が原因。誤文では逆に記載されている。
**頭蓋縫合早期癒合とe選択肢の関係:** クルーゾン症候群・アペール症候群など早期