第27回 言語聴覚士国家試験 第16問
形成外科学第27回
顔面外傷について誤っているのはどれか。
- 1.広範囲にデブリドマンを行う ✓
- 2.顔面骨骨折の診断は3D-CT画像が役立つ
- 3.ガラス片などの異物は可能な限り除去する
- 4.顔面神経や耳下腺管などの損傷をチェックする
- 5.頭部外傷を伴っている場合は脳外科医の治療を優先する
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 広範囲にデブリドマンを行う
顔面外傷の初期治療では、顔面の重要な構造(神経・血管・導管)を温存し、可能な限り広範なデブリドマンを避けることが原則です。顔面は美容的・機能的に重要な部位であるため、慎重で限定的な清創が求められます。一方、他の選択肢は顔面外傷診療の標準的なアプローチを示しています。
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【各選択肢の解説】
1. 広範囲にデブリドマンを行う
❌ 誤り。顔面は表情筋・感覚神経・涙道などの重要構造が密集しており、広範なデブリドマンは機能障害や美容的後遺症につながります。体幹・四肢と異なり、感染リスクより機能・美容保存を優先し、「最小限の清創」が基本です。
2. 顔面骨骨折の診断は3D-CT画像が役立つ
✅ 正しい。3D-CT再構成により骨折線の正確な位置・転位の程度・複数骨の同時骨折を立体的に把握できます。特にLeFort骨折やパンディセラ・トライアングル損傷の診断に不可欠です。
3. ガラス片などの異物は可能な限り除去する
✅ 正しい。異物の遺残は肉芽形成・色素沈着・感染源となるため、可能な限り完全に除去すべきです。ただし視神経損傷の危険がある場合は慎重さが必要です。
4. 顔面神経や耳下腺管などの損傷をチェックする
✅ 正しい。顔面神経(特に頬骨弓上部・下顎角部)と耳下腺導管(咬筋上を走行)は顔面外傷で損傷しやすく、初診時に機能評価と視診・触診で確認する必要があります。
5. 頭部外傷を伴っている場合は脳外科医の治療を優先する
✅ 正しい。頭部外傷は生命に関わるため、ABCDEアプローチの観点から脳外科的治療が最優先です。顔面外傷の整復は頭部損傷が安定してから行う原則があります。
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【試験対策ポイント】
顔面外傷治療の基本原則:
| 項目 | 体幹・四肢 | 顔面(重要な違い) |
|---|---|---|
| デブリドマン | 広範が基本(感染予防重視) | 最小限(機能・美容保存優先) |
| 神経の扱い | 切断なら吻合検討 | 温存・修復を強く志向 |
| 優先順位 | 感染予防 | 機能保存>感染予防 |
| 縫合時期 | 感染リスク低下後 | 可能な限り早期(血流良好利用) |
顔面外傷診療の5つのチェックポイント:
1. 脳神経損傷(Ⅴ・Ⅶ神経)
2. 眼球・涙道損傷
3. 耳小骨・中耳損傷
4. 耳下腺・導管損傷
5. 開口制限の有無(下顎骨折示唆)
キーワード:顔面は「最小限デブリ」「機能温存優先」「早期定復」が基本方針