STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第16問

形成外科学第28回
植皮について正しいのはどれか。 a.移植片の一部が生体とつながっている。 b.分層植皮は収縮をきたさない。 c.メッシュ植皮は切れ目を入れて網状に広げた方法である。 d.全層植皮は生着後の質感がよい。 e.全層植皮は分層植皮と比較して生着率が高い。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:4番

解説
# 第28回 第16問 植皮について ■ 正答:**4番**(c,d) 植皮は広範囲の皮膚欠損部を修復するための重要な形成外科手技です。各選択肢の正誤を整理することで,植皮の特性を確実に理解できます。 --- ## 各選択肢の解説 **a. 移植片の一部が生体とつながっている。** ❌ **誤り。** これは「皮弁(flap)」の定義です。植皮は移植片が生体と全く切り離された状態で移動するため,血行は一度途絶え,移植床からの新生血管形成により生着します。皮弁は血管柄が温存されているため,移植片の一部が元々の組織とつながったまま移動します。**植皮と皮弁を混同しないことが重要。** **b. 分層植皮は収縮をきたさない。** ❌ **誤り。** 分層植皮(部分層移植,split-thickness graft:STG)は真皮の一部のみを採取した比較的薄い移植片です。真皮が薄いため筋上皮収縮が起こりやすく,**生着後に著明な瘢痕収縮をきたします**。一方,全層植皮は真皮全体を含むため収縮がより少なく,質感も保たれやすいのです。 **c. メッシュ植皮は切れ目を入れて網状に広げた方法である。** ✅ **正しい。** メッシュ植皮は採取した移植片に規則的な切れ目を格子状に入れ,網状に拡張する方法です。限られた採取面積から広大な面積をカバーできる利点がある反面,拡張した分だけ網目が目立つため美容性に劣ります。重度熱傷時など大面積を迅速に被覆する必要がある場合に活用されます。 **d. 全層植皮は生着後の質感がよい。** ✅ **正しい。** 全層植皮(full-thickness graft:FTG)は表皮+真皮全体を採取した厚い移植片です。真皮が厚く保たれるため,生着後の「弾力性」「厚感」「色調の自然さ」が優れており,**質感が良好です**。顔面などの美容的な部位の再建に適しています。ただし,生着率は分層植皮より劣ります。 **e. 全層植皮は分層植皮と比較して生着率が高い。** ❌ **誤り。** むしろ逆です。**全層植皮の方が生着率が低いのが特徴**です。理由は以下の通り: - 全層植皮は厚い移植片であり,新生血管が浸透しにくい - 栄養供給に時間がかかる - したがって,壊死に陥るリスクが相対的に高い 分層植皮は薄いため血管侵入が早く生着率が高く(85~95%),全層植皮は厚いため生着率がやや落ちます(70~85%)。**「厚さと生着率は逆相関」と覚えてください。** --- ## 試験対策ポイント ### ■ 植皮と皮弁の鑑別(頻出) | 項目 | 植皮 | 皮弁 | |---|---|---| | **血行の有無** | 一度途絶える→新生血管で生着 | 血管柄が温存される | | **移植片と母体の関係** | 完全に切り離される | 一部がつながったまま移動 | | **生着までの時間** | 7~14日(新生血管形成) | 数日以内(血行が保たれているため) | | **生着率** | 分層:85~95% / 全層:70~85% | より高い | | **採取可
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