第27回 言語聴覚士国家試験 第116問
形成外科学第27回
咬唇癖について誤っているのはどれか
- 1.下唇をかむことが多い。
- 2.上顎前歯が唇側に傾斜する。
- 3.下顎前歯が舌側に傾斜する。
- 4.上下顎前歯間に間隙が生じる。
- 5.上顎中切歯の正中離開が生じる ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 上顎中切歯の正中離開が生じる
咬唇癖(唇をかむ習癖)による歯列・咬合への影響は、習癖の方向性と強度に依存します。下唇をかむ癖が最も一般的であり、その結果として上顎前歯は唇側に、下顎前歯は舌側に傾斜し、上下顎前歯間に開咬が生じます。ただし、上顎中切歯の正中離開は咬唇癖の直接的な結果ではなく、他の要因(舌突出癖など)によって生じるため、この選択肢が誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 下唇をかむことが多い。
✅ 正しい。咬唇癖は下唇をかむことが圧倒的に多く、上唇をかむ場合はまれです。下唇への慢性的な機械的刺激が歯列に影響を及ぼします。
2. 上顎前歯が唇側に傾斜する。
✅ 正しい。下唇をかむ習癖により、下顎から上顎前歯への持続的な唇側方向の力が加わり、上顎前歯は唇側傾斜(前突)します。
3. 下顎前歯が舌側に傾斜する。
✅ 正しい。下唇をかむ際、下顎前歯が下唇に圧迫され、舌側方向への傾斜が生じます。これにより上下顎前歯の反対咬合傾向が強まります。
4. 上下顎前歯間に間隙が生じる。
✅ 正しい。上顎前歯の唇側傾斜と下顎前歯の舌側傾斜により、上下顎前歯間に開咬(anterior open bite)が生じます。これは咬唇癖の典型的な咬合異常です。
5. 上顎中切歯の正中離開が生じる。
❌ 誤り。上顎中切歯の正中離開(diastema)は、舌突出癖、過度な上唇小帯、または歯列幅と歯数のアンバランスによって生じます。咬唇癖は上下顎前歯の傾斜と開咬をもたらしますが、正中離開の直接的な原因にはなりません。
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【試験対策ポイント】
咬唇癖(digitalsucking含む習癖性咬合異常)
| 項目 | 下唇咬癖(頻度高) | 上唇咬癖(頻度低) |
|---|---|---|
| 上顎前歯 | 唇側傾斜(前突) | 舌側傾斜(後退) |
| 下顎前歯 | 舌側傾斜 | 唇側傾斜 |
| 咬合 | 開咬 | 深咬合 |
| 正中離開 | なし | なし |
正中離開(diastema)の原因
- 舌突出癖(舌圧の介在)
- 上唇小帯過剰発育
- 歯列弓と歯冠サイズのアンバランス
- 咬唇癖ではない
重要:習癖性咬合異常は「原因の除去」が治療の第一歩。歯列矯正は習癖の改善後に開始