第28回 言語聴覚士国家試験 第114問
形成外科学第28回
誤っているのはどれか。
- 1.Ⅰ度熱傷は水疱形成を伴う。 ✓
- 2.深達性Ⅱ度熱傷は肥厚性瘢痕が残る。
- 3.Ⅲ度熱傷は植皮が必要である。
- 4.顔面熱傷で鼻毛が焦げているとき、気道熱傷を疑う。
- 5.気道熱傷は上気道型と肺実質型とに分けられる。
正答:1番
解説
# 第28回 第114問 解説
■ 正答:1番 — Ⅰ度熱傷は水疱形成を伴う
**Ⅰ度熱傷は表皮のみの損傷であり、水疱形成はみられません。** 水疱形成(blister)は真皮を巻き込む**Ⅱ度熱傷の特徴**です。Ⅰ度は日焼けと同じく発赤のみで、上皮化は7〜10日で自然治癒し瘢痕は残りません。
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【各選択肢の解説】
1. Ⅰ度熱傷は水疱形成を伴う
❌ **誤り。** Ⅰ度は表皮損傷のみで発赤のゴム様変化のみ。水疱はⅡ度で生じます。
2. 深達性Ⅱ度熱傷は肥厚性瘢痕が残る
✅ **正しい。** 深達性Ⅱ度(真皮深層の大部分を損傷)は治癒に3週間以上を要し、その過程で肥厚性瘢痕が形成されます。浅達性Ⅱ度は瘢痕が少ないのが対照的。
3. Ⅲ度熱傷は植皮が必要である
✅ **正しい。** Ⅲ度は全層損傷(表皮+全層真皮)であり、上皮化能がなく自然治癒不可能。肌色の縮小傷跡を最小限にするため、早期の分層植皮(可能なら分厚い全層植皮)が標準治療です。
4. 顔面熱傷で鼻毛が焦げているとき、気道熱傷を疑う
✅ **正しい。** 鼻毛の焦げは吸入した高温気体による気道入口部への熱損傷の指標。**気道熱傷の初期兆候**として重視されます。声嗄・喘鳴・呼吸困難の発症を監視。
5. 気道熱傷は上気道型と肺実質型とに分けられる
✅ **正しい。** 気道熱傷の分類:
- **上気道型**:喉頭以上の損傷。早期(数時間以内)に気道狭窄=気道確保の緊急対応が最優先
- **肺実質型**:細気管支・肺胞への煤煙沈着。後発性の呼吸不全(ARDS)リスク
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【試験対策ポイント】
**熱傷深度の分類**(必ず整理すること):
| 深度 | 組織損傷範囲 | 臨床所見 | 治癒形式 | 瘢痕 |
|---|---|---|---|---|
| **Ⅰ度** | 表皮のみ | 発赤・痛覚敏感・**水疱なし** | 自然治癒(7〜10日) | なし |
| **浅達性Ⅱ度** | 真皮浅層 | **浅い水疱**・発赤・痛覚鈍麻 | 自然治癒(2〜3週間) | 少ない |
| **深達性Ⅱ度** | 真皮深層 | **深い水疱**・白〜淡紅色・痛覚喪失 | 自然治癒(3週間以上)or植皮 | **肥厚性瘢痕** |
| **Ⅲ度** | 全層(表皮+全層真皮) | 炭化・皮革様・無痛 | 植皮必須 | 著しい拘縮・瘢痕 |
**気道熱傷の注意点**:
- **初期サイン**:鼻毛焦げ・口腔咽頭のすす付着・咳