第27回 言語聴覚士国家試験 第117問
臨床歯科医学/口腔外科学第27回
ロ腔癌切除後の再建手術について誤っているのはどれか。
る。
- 1.皮弁作成部位によって局所皮弁と遠隔皮弁とがある。
- 2.喪失した形態および機能の回復のために行われる。
- 3.有茎皮弁は、移動距離に制限なく用いることができる。 ✓
- 4.遊離皮弁による再建では、微小血管吻合術が必要である。
- 5.再建に用いる皮弁は、構成成分によって皮弁、筋膜皮弁、筋皮弁に分けられ
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 有茎皮弁は、移動距離に制限なく用いることができる。
有茎皮弁は血管系が栄養血管に依存するため、移動距離に制限があります。移動距離が大きい場合には、栄養血管が断裂し、皮弁の壊死に至る危険性があります。一方、遊離皮弁は微小血管吻合により新たな血管系を確保するため、移動距離に制限がありません。
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【各選択肢の解説】
1. 皮弁作成部位によって局所皮弁と遠隔皮弁とがある。
✅ 正しい。局所皮弁は欠損部位の近くから採取する皮弁であり、遠隔皮弁は欠損部位から離れた場所から採取する皮弁です。どちらも有茎皮弁の分類として臨床で用いられています。
2. 喪失した形態および機能の回復のために行われる。
✅ 正しい。口腔癌切除による組織欠損では、審美性・咀嚼機能・嚥下機能・構音機能の回復が必要です。再建手術はこれらの形態と機能の両者を回復することが目的です。
3. 有茎皮弁は、移動距離に制限なく用いることができる。
❌ 誤り。有茎皮弁は基部に栄養血管を保有していますが、その血管の長さと皮弁の伸展性により移動距離に制限があります。移動距離が長すぎると血管が伸張され栄養血流が遮断され、皮弁壊死を招きます。
4. 遊離皮弁による再建では、微小血管吻合術が必要である。
✅ 正しい。遊離皮弁は栄養血管を含めて欠損部から完全に遊離させ、顕微鏡下に欠損部の血管と吻合する微小血管吻合術が不可欠です。これにより移動距離の制限がなくなり、大きな欠損に対応できます。
5. 再建に用いる皮弁は、構成成分によって皮弁、筋膜皮弁、筋皮弁に分けられる。
✅ 正しい。皮弁の構成成分による分類として、表皮・真皮のみの皮弁、真皮および筋膜を含む筋膜皮弁、真皮および筋を含む筋皮弁があります。
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【試験対策ポイント】
有茎皮弁と遊離皮弁の比較表:
| 項目 | 有茎皮弁 | 遊離皮弁 |
|---|---|---|
| 栄養血管 | 基部に保有(茎部) | なし(顕微鏡吻合で再建) |
| 移動距離 | 制限あり(血管長に依存) | 制限なし |
| 施術難度 | 比較的容易 | 微小血管吻合術が必要 |
| 虚血時間 | 短い | やや長い(許容限度あり) |
| 治癒期間 | やや短い | やや長い |
皮弁の分類キーワード:
- 部位による分類:局所皮弁、遠隔皮弁
- 血管系による分類:有茎皮弁、遊離皮弁
- 構成成分による分類:皮弁、筋膜皮弁、筋皮弁
※本問は「移動距離の制限」が有茎皮弁の重要な制限因子であることが理解できているかを問う問題です。臨床では欠損部位と採取部位の距離を正確に評価する必要があります。