第27回 言語聴覚士国家試験 第124問
学習心理学第27回
誤っている組合せはどれか
- 1.代理強化 ― 観察学習
- 2.認知地図 ― 潜在学習
- 3.両側性転移 ― 弁別学習 ✓
- 4.負の強化 ― 回避学習
- 5.知覚ー運動協応 ― 技能学習
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 両側性転移 ― 弁別学習
両側性転移は「主に左右の肢の間での技能の転移」を指し、弁別学習(異なる刺激を区別して反応を分け学ぶ学習)とは関係がありません。弁別学習は「刺激弁別」に関わる学習であり、両側性転移とは無関係な概念です。
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【各選択肢の解説】
1. 代理強化 ― 観察学習
✅ 正しい。観察学習(モデル学習)では、モデルが強化されるのを見ることで学習者も学ぶ。これを代理強化と呼びます。自分が直接強化されなくても、他者の行動と結果を観察することで学習が成立します。
2. 認知地図 ― 潜在学習
✅ 正しい。認知地図はTolmanの概念で、環境の認知的な内的表現です。報酬なしに環境を探索する潜在学習(潜在的に環境情報を習得する学習)によって形成されます。
3. 両側性転移 ― 弁別学習
❌ 誤り。両側性転移は一方の肢で習得した技能が他方の肢に転移する現象(例:右手で書く技能が左手にも転移)です。弁別学習は「異なる刺激を識別し、それぞれに異なる反応を学ぶ」学習形式であり、肢間の技能転移とは全く異なる概念です。
4. 負の強化 ― 回避学習
✅ 正しい。負の強化は「嫌悪刺激を取り除く」ことで行動を増強する強化。回避学習は負の強化の典型例で、嫌悪刺激(痛み・不快)を回避する行動を学習します。
5. 知覚ー運動協応 ― 技能学習
✅ 正しい。技能学習には知覚入力と運動出力の協調が必須です。例えば運転技能やスポーツ技能では、視覚・聴覚などの知覚情報と実際の運動反応が統合されます。
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【試験対策ポイント】
学習心理学・主要概念対応関係
| 概念 | 関連する学習形式 | 説明 |
|---|---|---|
| 代理強化 | 観察学習 | モデルの強化を見て学ぶ |
| 認知地図 | 潜在学習 | 報酬なしで環境情報を習得 |
| 両側性転移 | 技能学習 | 一方の肢から他方への転移 |
| 負の強化 | 回避学習 | 嫌悪刺激の除去で行動を増強 |
| 知覚ー運動協応 | 技能学習 | 感覚と運動の統合 |
紛らわしい概念の区別
「弁別学習」=刺激の区別(S+とS-の識別)→肢間の転移とは無関係
「両側性転移」=運動技能の左右肢間転移→弁別学習ではなく「技能学習」に属す
頻出の学習形式整理
観察学習:代理強化が重要
潜在学習:報酬がない状態での学習(Tolmanの鼠迷路実験)
回避学習:負の強化の典型
技能学習:知覚ー運動協応が必須