第27回 言語聴覚士国家試験 第26問
学習心理学第27回
以前に学習したことがのちの学習に影響を及ぼすことを表すのはどれか。
- 1.転移 ✓
- 2.協応
- 3.強化
- 4.保持
- 5.誘因
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 転移
転移(transfer)とは、以前に学習した知識やスキルが、その後の新しい学習に対して促進的または阻害的な影響を与える現象です。この問題は「のちの学習に影響を及ぼす」という記述から、転移の定義そのものを問う基本問題です。
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【各選択肢の解説】
1. 転移
✅ 正しい。学習した内容が後続の学習課題に影響を与える現象です。数学の計算スキルが物理の問題解法を容易にする(正転移)、または外国語の文法がほかの言語学習を妨げる(負転移)などの例があります。
2. 協応
❌ 誤り。協応(coordination)とは複数の筋肉や感覚が調和的に機能する生理的現象で、学習の歴時的な影響を示す概念ではありません。運動学習における身体の協調性に関わる用語です。
3. 強化
❌ 誤り。強化(reinforcement)はオペラント条行動学において、特定の行動の後に報酬や罰を与えることで、その行動の頻度を増減させるプロセスです。異なる学習課題間の影響を説明するものではありません。
4. 保持
❌ 誤り。保持(retention)は、学習した内容がどの程度記憶に留まるかを示す概念です。一度学んだことを忘れずに保つこと自体であり、のちの新しい学習への影響を直接的には示しません。
5. 誘因
❌ 誤り。誘因(incentive)は学習意欲を引き出す動機づけの対象で、報酬や目標などです。学習経歴の影響ではなく、現在の学習動機付けに関わる概念です。
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【試験対策ポイント】
転移の分類:
- 正転移:先行学習が後続学習を促進(例:九九が分数計算を容易に)
- 負転移:先行学習が後続学習を阻害(例:L1の文法がL2習得の妨げ)
- 中立転移:影響なし
学習心理学の頻出用語の区別:
| 用語 | 定義 | 時間的関係 |
|---|---|---|
| 転移 | 先行学習が後続学習に影響 | 時系列あり |
| 保持 | 学習内容の記憶保持度 | 同一課題内 |
| 強化 | 行動後の結果で頻度変化 | 行動直後 |
| 誘因 | 学習意欲を引き出す対象 | 現在時点 |
この問題は転移の定義を直接問う標準的な設問です。「のちの学習に影響」というキーフレーズから迷わず1番を選択できます。