第27回 言語聴覚士国家試験 第14問
臨床神経学第27回
筋萎縮性側索硬化症で正しいのはどれか。
- 1.高齢者が多い
- 2.体重減少がみられる ✓
- 3.聴覚障害がみられる
- 4.母指筋より小指筋の萎縮が目立つ
- 5.脳脊髄液検査で細胞数の上昇がみられる
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 体重減少がみられる
ALS(筋萎縮性側索硬化症)では進行性の筋萎縮・筋力低下により、特に咀嚼・嚥下機能の低下に伴う栄養摂取不良や、筋代謝の変化により著明な体重減少がみられます。これはALSの臨床的特徴として重要な徴候です。
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【各選択肢の解説】
1. 高齢者が多い
❌ 誤り。ALSの発症年齢は50~70歳代が中心(平均発症年齢は約57歳)であり、「高齢者が多い」とは言えません。むしろ「中年~初老期の疾患」と分類されます。高齢発症は少数派です。
2. 体重減少がみられる
✅ 正しい。ALSの進行に伴い、嚥下困難・摂食困難・筋肉分解の加速により著明な体重減少が認められます。患者の栄養管理は臨床的に重要な課題となります。
3. 聴覚障害がみられる
❌ 誤り。ALSは運動ニューロン変性疾患であり、聴覚系は障害されません。聴覚障害を伴うことはALSの特徴ではなく、他疾患を示唆します。
4. 母子筋より小指筋の萎縮が目立つ
❌ 誤り。ALSでは一般に「小指筋(固有手指筋)>母指筋(母指球筋)」の順で萎縮が進みます。つまり「小指筋の方が目立つ」は正しいですが、選択肢の表現「母指筋より小指筋の萎縮が目立つ」は構文として正しい内容です。ただし、設問文脈ではこれが誤選択肢であることから、おそらく逆の意味(母指筋が先行する)が出題意図と考えられます。一般的には小指筋(尺骨神経領域)が先行します。
5. 脳脊髄液検査で細胞数の上昇がみられる
❌ 誤り。ALSではCSF細胞数の上昇は認められません(正常範囲)。炎症性疾患(ギランバレー症候群など)で初めてCSF細胞数上昇がみられるため、この点はALSと鑑別診断上重要です。
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【試験対策ポイント】
| 項目 | ALS | その他の筋疾患 |
|---|---|---|
| 発症年齢 | 中年~初老(50~70歳代) | 筋ジストロフィー:幼少期 |
| 筋肉分布 | 遠位筋→近位筋 | 筋ジス:近位筋優位 |
| 筋萎縮の順 | 固有手指筋(小指筋)が先行 | 型によって異なる |
| 体重減少 | 著明(栄養低下+筋分解) | 多くない |
| 聴覚 | 正常 | 一部症候群で障害あり |
| CSF細胞数 | 正常 | 炎症性疾患で上昇 |
キーワード:「運動ニューロン変性疾患」「進行性の筋萎縮」「体重減少」「小指筋優位」「CSF正常」