第27回 言語聴覚士国家試験 第142問
言語学第27回
複合語の前項、後項の両方に引用形式(無標形)を使っているのはどれか。アクセントは考慮しない。
- 1.雨合羽
- 2.春雨
- 3.ひな鳥
- 4.白身 ✓
- 5.雌鶏
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 白身
複合語の両項が引用形式(辞書に出ている時のままの形、無標形)で構成される複合語を選ぶ問題です。「白」と「身」がそれぞれ単独で使用される際の形のまま結合しており、語幹の変形や融合がありません。
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【各選択肢の解説】
1. 雨合羽
❌ 誤り。後項「合羽」は「かっぱ」ですが、この複合語では「あめかっぱ」という造語で、後項が引用形式のままですが、前項「雨」は修飾成分として機能しており、両項が等しく独立した無標形とはいえません。複合語の構造として前項が従属的です。
2. 春雨
❌ 誤り。後項「雨」は引用形式(ゆき→ゆき)ですが、前項「春」も修飾要素として機能しており、両項が対等な独立した語ではなく、「春の雨」という修飾関係にあります。前項が修飾的・従属的な関係です。
3. ひな鳥
❌ 誤り。前項「ひな」は「雛」で引用形式ですが、後項「鳥」も修飾関係であり、「ひなの鳥」という従属的構造になっています。複合語の両項が対等な引用形式ではなく、前項が修飾要素です。
4. 白身
✅ 正しい。前項「白」(しろ)と後項「身」(み)がそれぞれ単独で辞書に載るときのまま(引用形式・無標形)で結合しています。両項が対等な位置で結合し、どちらも語幹の変形がありません。「白い身」ではなく「白」と「身」の引用形式そのもので構成されています。
5. 雌鶏
❌ 誤り。前項「雌」は引用形式ですが、後項「鶏」も修飾関係として機能しており、「雌の鶏」という意味の従属複合語です。後項が修飾される側となるため、両項が等しく独立した引用形式とはいえません。
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【試験対策ポイント】
複合語の構造分類(前項と後項の関係)
| 複合語の種類 | 前項と後項の関係 | 例 |
|---|---|---|
| 修飾的複合語 | 後項が前項に修飾される(従属的) | 雨合羽・春雨・ひな鳥・雌鶏 |
| 対等的複合語 | 前項と後項が対等(両項とも引用形式) | 白身・机椅子・親戚 |
| 述語的複合語 | 前項が述語的に後項を説明 | 赤み・痛み |
引用形式(無標形)とは
- 単独で辞書に掲載される語の形をそのまま使用
- 「白」:単独でしろ/はく、「身」:単独でみ(変形なし)
- 「雨」:単独であめ、「合羽」:単独でかっぱ(修飾関係のため対等でない)
誤答の共通パターン
- 前項が修飾的に後項に従属している場合は対等的複合語ではない
- 「色+体の部位」は修飾的複合語と誤認しやすい(白身は対等的が正解)
- 「季節/時間+自然現象」「性別+動物」は修飾構造の典型