STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第143問

言語学第27回
間接受身はどれか。
  1. 1.社長が来られた。
  2. 2.子どもにぶたれた。
  3. 3.子どもに泣かれた。 ✓
  4. 4.薬は苦かったけど飲めた。
  5. 5.私にはそのように思われた。

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 子どもに泣かれた。 間接受身は「話者自身が直接的な行為の対象でなく、その行為によって被害・不利益・困惑を被る」という意味の受身です。「子どもに泣かれた」は、泣く主体は子どもですが、話者が子どもに泣かれることで困惑や不利益を被っています。これが間接受身の典型的な用法です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 社長が来られた。 ❌ 誤り。これは敬語(敬意の受身)です。「社長」という敬意を払う対象が行為者であり、敬語用法の受身形であり、間接受身ではありません。 2. 子どもにぶたれた。 ❌ 誤り。これは直接受身(被害受身の一種)です。話者自身が「ぶたれる」という行為の直接的な対象となっており、直接的な被害を被っています。間接受身ではありません。 3. 子どもに泣かれた。 ✅ 正しい。泣く主体は「子ども」ですが、話者は「子どもに泣かれる」ことで困惑や不利益(夜泣きで寝不足など)を被ります。話者が直接的な行為の対象でなく、その行為の副次的な被害を被る構造が間接受身です。 4. 薬は苦かったけど飲めた。 ❌ 誤り。これは受身形ではなく、可能形です。「飲める」は「飲むことができる」という可能を表現しており、受身構造を含みません。 5. 私にはそのように思われた。 ❌ 誤り。これは直接受身(感情受身)です。「思う」という心理行為の対象が「私」であり、話者自身が直接的な行為の対象となっています。間接受身ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 受身形の分類と特徴: | 受身タイプ | 説明 | 例 | |---|---|---| | 直接受身 | 話者が行為の直接的対象 | 私はぶたれた、悪く思われた | | 間接受身 | 話者が行為の副次的被害を被る | 子どもに泣かれた、猫に逃げられた | | 敬語受身 | 敬意を表現 | 社長が来られた、先生がおっしゃられた | 間接受身の判定ポイント: 「~に~される」構造で、「される」の対象(主語)が話者自身ではなく別の者で、その行為により話者が困惑・不利益を被る場合が間接受身 その他の選択肢を誤認しやすい理由: - 可能形「~られた」と受身形「~られた」は形が同じため混同しやすい - 敬語受身は「~が来られた」という形で、一見間接受身のように見える - 直接受身と間接受身の区別は「話者が直接的対象か」「困惑を伴うか」で判定
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