STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第91問

聴覚系第27回
小児の先天性一側性難聴について誤っているのはどれか。
  1. 1.発話明暸度は低くなる。 ✓
  2. 2.音の方向が分かりにくい。
  3. 3.聴神経の低形成が原因となる。
  4. 4.騷音下での語音の聴取が障害される。
  5. 5.新生児聴覚スクリーニングで検出される。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 発話明瞭度は低くなる。 先天性一側性難聴では、健側耳(正常聴力)が十分に発話音を受け取れるため、**発話明瞭度は低下しません**。むしろ発話獲得や音韻発達に大きな支障は生じず、言語発達は比較的良好に進みます。誤るポイントは「一側性は両側性ではない」という点です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 発話明瞭度は低くなる。 ❌ 誤り。一側性難聴では健側耳が言語学習に十分なため、発話明瞭度は保たれることが多い。両側難聴との混同は受験生が陥りやすい誤りです。 2. 音の方向が分かりにくい。 ✅ 正しい。音源定位には両耳の時間差・強度差が必要であり、一側性難聴では頭部伝導による対側耳への音到達が限定されるため、方向感覚が障害されます。 3. 聴神経の低形成が原因となる。 ✅ 正しい。先天性一側性難聴の重要な原因の一つは内耳道狭窄に伴う聴神経の低形成・無形成です。 4. 騒音下での語音の聴取が障害される。 ✅ 正しい。一側性難聴では両耳の空間的分離聴が機能しないため、特に騒音環境での言語理解(カクテルパーティー効果)が損なわれます。 5. 新生児聴覚スクリーニングで検出される。 ✅ 正しい。新生児聴覚スクリーニング(自動ABR等)は一側性難聴も検出でき、早期発見・早期対応の重要な機会となります。 --- 【試験対策ポイント】 一側性難聴 vs. 両側難聴の臨床的相違 | 項目 | 一側性難聴 | 両側難聴 | |---|---|---| | 発話明瞭度 | **低下しない(正常に近い)** | 低下する | | 音源定位 | 障害される | 最初は障害されるが訓練で改善 | | 言語発達 | 良好に進む | 遅延の可能性あり | | 学校生活 | 聴覚困難あり | より大きな支援が必要 | | スクリーニング検出 | 可能 | 可能 | 先天性一側性難聴の主な原因 - 聴神経の低形成(内耳道狭窄) - 前庭水管拡大症(LVAS) - 内耳奇形(無蝸牛型など) 一側性難聴が生じる影響 - 音源定位の障害(頭部伝導による対側耳への信号が弱い) - 騒音下の語音理解の障害(両耳の空間分離聴ができない) - 学校教室では健側への座席配置で対応可能
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