第27回 言語聴覚士国家試験 第31問
臨床心理学第27回
認知療法における認知のゆがみはどれか。
a.投影
b.個人化
c.恣意的推論
d.誇張と矮小化
e.集合的無意識
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — b,c,d
認知療法におけるBeck の認知のゆがみは、患者の自動思考に含まれる論理的誤りや非論理的な思考パターンです。個人化、恣意的推論、誇張と矮小化が該当します。
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【各選択肢の解説】
a. 投影
❌ 誤り。投影は精神分析における防衛機制であり、認知療法の認知のゆがみではありません。自分の不受容な感情や欲望を他者に帰属させる無意識的プロセスです。
b. 個人化
✅ 正しい。自分に責任がない出来事を自分のせいだと解釈する認知のゆがみです。例:「友人が怒っているのは自分が悪いから」と考えるなど。
c. 恣意的推論
✅ 正しい。十分な根拠がないまま否定的な結論を導き出す認知のゆがみです。例:「失敗するに違いない」と根拠なく予測するなど。
d. 誇張と矮小化
✅ 正しい。悪い出来事は過度に大きく、良い出来事は過度に小さく評価する認知のゆがみです。例:「小さなミスが人生を台無しにする」と考えるなど。
e. 集合的無意識
❌ 誤り。集合的無意識はユング心理学の概念(人類共通の無意識層)であり、認知療法の認知のゆがみではありません。
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【試験対策ポイント】
認知のゆがみ(Beck)と防衛機制(精神分析)の区別
| 要素 | 認知のゆがみ | 防衛機制 |
|---|---|---|
| 学派 | 認知療法(Beck) | 精神分析(Freud) |
| 意識的/ 無意識的 | 自動思考(比較的接近) | 無意識的 |
| 投影 | ❌ 含まない | ✅ 含む |
| 個人化 | ✅ 含む | ❌ 含まない |
| 合理化 | ❌ 含まない | ✅ 含む |
認知のゆがみ主要10パターン(Beck)
1. 全か無か思考(白黒思考)
2. 過度の一般化
3. 心的フィルター(ネガティブなものだけに注目)
4. 否定的推論
5. 感情的推論(感情が事実と同一視)
6. 誇張と矮小化
7. すべき思考
8. レッテル貼り
9. 個人化
10. 恣意的推論
ユング心理学の主要概念
- 集合的無意識:人類共通の無意識層
- コンプレックス:感情的に支配された観念複合体
- 同期性:意味のある偶然の一致