STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第37問

音声学第27回
ミニマルペアはどれか。 a.台[dai]ー 貝[kai] b.板「ita」ー 糸[ito] c.意思「iɕi」ー 医師[iɕi] d.草「kɯsa」ー 草[kɯsa] e.ざる「zaɾɯ」ー ざる[dzaɾɯ] 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — a,b ミニマルペアとは、1つの音素のみが異なり、その結果意味が変わる単語対を指します。音韻体系を明らかにするための重要な概念で、「異なる音が言語として機能している(音韻的に区別されている)」ことを証明します。aとbは単一の子音のみが異なり意味が異なるため、正答です。 --- 【各選択肢の解説】 a.台[dai]ー 貝[kai] ✅ 正しい。初頭の子音/d/と/k/のみが異なり、意味が「台」と「貝」で明確に区別されます。これは典型的なミニマルペアです。 b.板[ita]ー 糸[ito] ✅ 正しい。音韻的には/ita/と/ito/で、母音/a/と/o/のみが異なり、意味が「板」と「糸」で区別されます。これもミニマルペアの条件を満たします。 c.意思[iɕi]ー 医師[iɕi] ❌ 誤り。音韻表記が完全に同一([iɕi])で、音として区別されていません。異なるのは意味だけで、同音異義語であり、ミニマルペアではありません。 d.草[kɯsa]ー 草[kɯsa] ❌ 誤り。同じ単語を2度繰り返しているだけで、音も意味も全く同じです。異なる要素がないため、ミニマルペアの定義に当てはまりません。 e.ざる[zaɾɯ]ー ざる[dzaɾɯ] ❌ 誤り。音表記は/z/と/dz/で異なりますが、日本語の標準音韻体系では両者は同じ音韻/z/として扱われ、音韻的には区別されていません。したがってミニマルペアではなく、アロフォン(同一音韻の異なる実現)です。 --- 【試験対策ポイント】 ミニマルペア vs その他の概念 | 概念 | 定義 | 例 | |---|---|---| | ミニマルペア | 1音素のみ異なり、意味が変わる | 台[dai]ー貝[kai] | | 同音異義語 | 音は同じだが意味が異なる | 意思[iɕi]ー医師[iɕi] | | アロフォン | 同一音韻の異音で、意味を区別しない | [z]と[dz](日本語) | | 異なる単語の反復 | 音も意味も同じ | 草ー草 | ミニマルペアの判断ステップ 1. 音表記が異なるか? → 異なる場合は次へ 2. 1音素(1つの単位)のみ異なるか? → YES:続へ、NO:ミニマルペアではない 3. その1音素の違いが意味を区別するか? → YES:ミニマルペア 日本語音韻体系の重要な区別 - /z/と/dz/:アロフォン(音韻的に同一)=ミニマルペアを作らない - /d/と/k/:異なる音韻=ミニマルペアを作る - /a/と/o/:異なる音韻=ミニマルペアを作る
関連

▶ 第27回 全問一覧

▶ 音声学 の過去問一覧