第27回 言語聴覚士国家試験 第81問
器質性構音障害第27回
7歳の女児。口蓋形成術後に鼻咽腔閉鎖機能不全がみられる。軟口蓋が短い。適切な補綴的発音補助装置はどれか。
- 1.口蓋閉鎖床
- 2.軟口蓋栓塞子
- 3.舌接触補助床(PAP)
- 4.軟口蓋挙上装置(PLP)
- 5.バルブ型スピーチエイド ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — バルブ型スピーチエイド
口蓋形成術後に鼻咽腔閉鎖機能不全が残存する場合、特に軟口蓋が短い症例では、咽頭壁との間の隙間を補う必要があります。バルブ型スピーチエイドは咽頭後壁に接触するように設計されており、発話時に咽頭弁機構を代替して鼻漏気を防止できるため、最も適切です。
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【各選択肢の解説】
1. 口蓋閉鎖床
❌ 誤り。これは先天性口蓋裂の一次的な補綴装置で、口蓋の形態異常そのものを補う設計です。軟口蓋が短く鼻咽腔閉鎖機能不全がすでに存在する症例では、咽頭弁の代替機能が不足しており、単なる口蓋形態補正では不十分です。
2. 軟口蓋栓塞子
❌ 誤り。軟口蓋栓塞子は軟口蓋そのものを機械的に挙上・後方に移動させるしくみですが、軟口蓋が「短い」場合はこれでは高さが足りず、咽頭後壁との距離を埋められません。
3. 舌接触補助床(PAP)
❌ 誤り。PAPは舌骨上筋群の活動を促進し、発話時に舌を上挙・後方移動させることで、特に軟口蓋や咽頭弁の運動性がある程度残存している場合の補助に用いられます。しかし機能不全が主たる問題の本症例には向いていません。
4. 軟口蓋挙上装置(PLP)
❌ 誤り。PLPは軟口蓋を物理的に挙上する装置ですが、軟口蓋そのものが「短い」場合、挙上しても咽頭後壁までの距離がなお不足します。長さの問題に対しては無効です。
5. バルブ型スピーチエイド
✅ 正しい。咽頭後壁に直接接触するように設計された弁状構造を持ち、発話時に気流遮断機能を代替します。軟口蓋の長さが不足している場合、この後方からのアプローチで鼻漏気を防止できるため、最適な選択肢です。
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【試験対策ポイント】
補綴的発音補助装置の適応判定表
| 装置名 | 補正対象 | 適応条件 | 不適応条件 |
|---|---|---|---|
| 口蓋閉鎖床 | 口蓋形態異常 | 裂の初期補綴 | 鼻咽腔閉鎖機能不全 |
| 軟口蓋栓塞子 | 軟口蓋下垂 | 軟口蓋可動性あり | 軟口蓋が短い |
| 舌接触補助床(PAP) | 舌運動性↑促進 | 咽頭弁ある程度可動 | 構音は中程度以上 |
| 軟口蓋挙上装置(PLP) | 軟口蓋挙上 | 軟口蓋長は正常で低い | 軟口蓋が短い場合無効 |
| バルブ型スピーチエイド | 咽頭閉鎖代替 | 軟口蓋短縮・非可動 | (なし)最終手段 |
重要概念
軟口蓋が「短い」vs「低い」の区別
- 短い=長さ不足→咽頭後壁との距離が本質的に足りない→バルブ型
- 低い=挙上不足だが長さはある→軟口蓋栓塞子・PLP有効
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